訴状

訴状

平成20年1月1日

東京地方裁判所 御中

原告訴訟代理人弁護士 弘中 惇一郎
同 弘中 絵里
同 大木  勇
同 品川  潤

〒990-■■■■ 山形県■■■■■■■■■
原告 天羽優子

〒102-0085 東京都千代田区六番町1番地 山陽六番町ビル2階
法律事務所ヒロナカ(送達場所)
上記訴訟代理人弁護士 弘中 惇一郎
同 弘中 絵里
同 大木  勇
同 品川  潤
電話 03-3234-0507
FAX 03-3234-0508

〒651-■■■■ 神戸市■■■■■■■■■
被告 吉岡 英介

〒650-0015 神戸市中央区多聞通3丁目3番16号 甲南第一ビル812
被告 有限会社健康と環境の神戸クラブ
上記代表取締役 吉岡英介

〒650-0015 神戸市中央区多聞通3丁目3番16号 甲南第一ビル912
被告 マグローブ株式会社
上記代表取締役 吉岡英介

損害賠償等請求事件
訴訟物の価額 980万円
ちょう用印紙額 5万円

第1 請求の趣旨
1 被告らは,原告に対し,連帯して660万円及びこれに対する訴状送達の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え
2 被告らは,未販売及び今後重刷する被告吉岡英介の著書「水は変わる」から,別紙1記載の文言及び42ぺ一ジに掲載の原告の写真を削除せよ。
3 被告らは,ウェブサイト「お茶の水女子大学への要求書」(http://www.minusionwater.com/)から,別紙2記載の文言及びhttp:///www.minusionwater.com/amou2.jpgに掲載の原告の写真の画像を削除せよ。
4 訴訟費用は,被告らの負担とする
との判決及び1項につき仮執行宣言を求める。

第2 請求原因

1 当事者
(1) 原告は,山形大学理学部物質生命科学科において,准教授の地位にある者である。
 原告は,共同研究先であるお茶の水女子大学の管理するウェブサーバ上で,r水商売ウォッチング」という名称のコンテンツを公開している(甲1)。
 「水商売ウォッチング」では,水に何らかの作用を加えて様々な機能を付加するという装置を製造販売している企業を「水商売」と総称し,それらの装置の宣伝で使用されている科学的原理の理論的正確性を検証している。
(2〕 被告株式会社マグローブ(以下「被告マグローブ」という。)は,「磁気活性器マグローブ」という製品を製造している株式会杜である。
 同社は,「マグローブ」には磁石が内蔵されており,これを水道管に接続すると,そこを流れる水が磁場によって活水化する旨,その効能を謳っている。
(3) 被告有限会社健康と環境の神戸クラブ(以下「被告クラブ」という。)は,MLM(マルチレベルマ』ケティング)という商法によって,会員に「マグローブ」を販売している株式会社である。
(4) 被告吉岡英介(以下「被告吉岡」という。)は,被告マグローブと被告クラブの代表取締役を務める者である。

2 被告吉岡の責任
(1) 書籍「水は変わる」の発行,提出及び販売
ア 名誉毀損
 (ア)被告吉岡は,「健康と環境の神戸クラブ代表」名義で,「水は変わる」という名称の書籍(以下「本件書籍」という。)(甲2)を発行し,平成19年10月,お茶の水女子大学に対して,本件書籍を提出したほか(甲4),被告クラブの会員や一般人に対して,本件書籍を販売している。
 本件書籍は,原告の運営している「水商売ウォッチング」に対する批判を内容とするものであるが,その中には,以下のような記載がある(下線は,問題となる部分について,原告代理人が付け加えたものである。)。
① 序文
 「飲料水などを改良,改質する器具を販売している企業のホームページの文章を分析し,批判し,意図的にその販売を妨害することで,いくつかの企業に対して経済的損失を与え,その名誉を毀損している。」
② 目次
 「1-7 天羽優子氏は販売を妨害している   15」
 「1-10 販売妨害は天羽優子氏の初めからの意図   23」
③ 16ぺ一ジ
 「読者からメールをもらって『水商売な方』と呼ぶ,天羽優子氏の,社会人としての常識のなさに呆れるが,要するに『水商売ウォッチング』の目的は『怪しい科学と抱き合わせで』『販売が行われることが困る』『その一点につきる』のである。販売が行われても,別に彼女が直接に『困る』こともないはずだから,『困る』とは『私は許さない』という意味である。だから彼女は『困らないように』行動する,つまり販売を妨害するわけだ。そして,その科学が怪しいかどうかは,彼女が独断で一方的に決めるのである。一方で販売を妨害するつもりはないと言っておきながら,こういうところでうっかり本音をもらしてしまっている。
 ここに,彼女が販売を妨害する意図を持っていることをはっきりと
示す文章がある。」
 「②の部分を批判するだけだと言いながら,そんな製品は買うな,と言っている。これが彼女の本音である。『水商売ウォッチング』が販売妨害にまで突っ走っていることがはっきり分かる文章である。」
④ 23ぺ一ジ
 「販売妨害は天羽優子氏の初めからの意図である
 「天羽優子氏は水商売ウォッチングで,業者を恋意的に選び出し,その人々に先制攻撃をかけて販売を妨害している。彼女はいろいろと建前を述べて煙幕を張ってはいるが,彼女の意図は初めから販売妨害にある
 そもそも『水商売』という命名が,そのことを物語っているのだ。健康を考え環境を考えて,よりよい水を人々に届けたいと活動する人々を十把ひとからげにして,からかいの気持ちを込めて『水商売』と呼び,自らその監視役に任じ,自らのサイトに『水商売ウォッチング』と名付けた,そのときから彼女の意図は,そのようなビジネスをしている人々に先制攻撃をかけてそのビジネスを妨げようというものなのである。」
⑤ 45ぺ一ジ
「『②にツッコミを入れるが,③は性善説で信じましょう。ビジネスは妨害しません』などという彼女の言葉は欺瞞である。『真っ赤な嘘』で『完全に騙されて』います,というのが彼女の本音であり,彼女はビジネスを妨害したいのである
 水は不変だ,という自分の勝手な思いこみに立脚し,さまざまな知識をひけらかし,水についてのビジネスを『水商売』と蔑称し,それに携わる人々をうそつき呼ばわりし,そのビジネスをつぶしてしまえというのが『水商売ウォッチング』の本性である。」
⑥ 78ぺ一ジ
 「彼女は,お茶の水女子大学を利用して企業の販売活動を妨害し,自分に対する批判は恫喝で押さえつけ,傍若無人の振る舞いをしてきた。それらの行動はすべて,彼女の『将来を賭けた』行動,すなわち彼女の個人的な欲求を満たすための行動だったのである。」

(イ) ある表現が名誉毀損に該当するか否かは,その表現が,一般読者の普通の注意と読み方を基準として,当該表現が,人の品性,徳行,名声,信用等の人格的価値について社会から受ける客観的価値を低下させるかどうかを基準に判断される(最高裁判所昭和31年7月20日判決民集10巻8号1059頁)。
 そして,一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば,(ア)で指摘した各記載は,原告が,お茶の水女子大学と共同研究をしている学者という地位を濫用して,専ら個人的利益を追求するために,企業の営業を妨害するという不当な目的で,「水商売ウォッチング」を運営しているかのような印象を,一般読者に与えるものである。
 したがって,これらの記載が,原告の品性,学者としての信用といった人格的価値にっいて社会から受ける客観的価値を低下させるものであり,名誉毀損にあたることは明らかである。
(ウ) なお,名誉毀損行為があった場合でも,①それが公共の利害に関する事実に係り②専ら公益を図る目的に出た場合には,③摘示された事実が真実であることが証明されたときは,違法性がないとするのが判例である(最高裁判所昭和41年6月23日判決民集20巻5号1118頁)。
 しかし,被告吉岡によるこれらの記載は,少なくとも上記③を満たすものではない。
 すなわち,原告が「水商売ウォッチング」を開設した目的は,水に機能を付加すると称する商晶を販売する企業が,その宣伝で用いている原理の解説の理論的正確性を検証し,誤りがある場合にはそれを指摘することによって,誤った科学的知識が流布するのを阻止することにある。
 このことは,「水商売ウォッチング」トップページにおいて,原告が,「『商売のために科学を騙るな』というのが基本になってます。ツッコミを入れているケースは,企業の方が先に勝手に『科学理論モドキ』『実験の名に値しない実験』(=ニセ科学)を宣伝に登場させたものばかりです。宣伝をするのは自由ですが,同時にニセ科学を広めるのはやめてもらいたい。ニセ科学を広めるのは,科学に携わっている人々の業務を妨害する行為です(同じ名前で粗悪品が出回ったら,良い製品を作っている企業は怒るし迷惑もするし,消費者も迷惑します。それと同じ事です)。科学として批判されるのがイヤなら,科学のフリをするのを一切止めればいいだけのことです。」と述べていることからも明らかである(甲1)。
 したがって,原告の目的が企業の営業を妨害し,原告の個人的利益を図ることにあるという記載は,真実に反する。

イ 侮辱
(ア) 本件書籍には,以下のような記載がある(下線は,問題となる部分について,原告代理人が付け加えたものである。)。
① 19ぺ一ジ
 「天羽優子氏は,本人が納得していないからインタ一ネットを見るのだと決めつけている。彼女の言動を見ていると,彼女には想像力というものがほとんどないようで想像力がなけれぱ他人への思いやりも生まれようがないわけだが,実際には,実例で紹介したように,本人は納得していても,配偶者など身内が『水商売ウォッチング』を見て反対するというケースが多々あるのである。」
② 45ぺ一ジ
 「1-3で彼女は
天羽 私はたまたま水について一般の人より科学的に正確な情報を知りうる立場におり,私がそういう立場にいるのは杜会が支えてくれているのだから,知識を世の中に還元するという役割がある。
と,頼まれもしないのに勝手な役割を自分に割り振っているが,彼女の認識が根本から間違っているので彼女の知識を垂れ流せば流すほど世の中の害にしかならない。」
③ 66ぺ一ジ
『水商売ウォッチング』の基調をなす非科学的な教義全体にちりばめられた非礼で無慈悲な悪口雑言の数々幼稚でずさんな認識力思考の硬直性と奥行きのなさなどを見れぱ彼女はもともと自然科学の探究には向いていないと思われる。そしておそらく教育職にも。
(イ)人は誰でも,自己の人格的価値に対する自己自身の評価,すなわち,名誉感情を持っており,この名誉感情が社会生活上是認できる限度を超えて侵害された場合には,法的に保護される。
 そして,(ア)で指摘した記載は,原告には想像力や思いやりが欠如しているであるとか,科学者としての適性を欠いているなどと,専ら原告の人格を攻撃し,原告を侮辱するものであり,原告の名誉感情を侵害することは明らかである。
 もし,被告吉岡が,原告の「水商売ウォッチング」上での発言内容に不満があるのなら,原告の発言内容についてのみ反論をすれば十分なのであり,原告の人格に対して攻撃を加える必要は全くなく,これらの記載をすることには全く正当性がない。
 そうすると,(ア)で指摘した記載が,社会生活上是認できる程度を超えて原告の名誉感情を侵害するものであり,違法であることは明らかである。
ウ 肖像権侵害
 被告吉岡は,本件書籍の42ページに,平成16年10月号「第三文明」に掲載された原告の顔写真を,原告に無断で転載した。これは,原告の肖像権を侵害する行為である。
(2) ウェブサイトヘの掲載
ア 名誉毀損
(ア)被告吉岡は,本件書籍を発行,提出及び販売するだけにとどまらず,「健康と環境の神戸クラブ代表」名義で「お茶の水女子大学への要求書」との表題でウェブサイトを開設して(http://www.minusionwater.com/)(以下「本件サイト」という。)(甲3),本件書籍の内容をすべて掲載したほか,さらに,「インターネット版補遺」と題して,いくつかの記事を掲載している。
 これらの中には,以下のような記載がある(なお,①ないし⑤は,本件書籍の内容がそのまま掲載された部分で,前記(1)ア(ア)①ないし⑥に対応し,⑥は,「インターネット版補遺」として,新たに書き加えられた部分である。また,下線は,問題となる部分について,原告代理人が付け加えたものである。)。
① http://www.minusionwater.com/(甲3の1)
「1-7 天羽優子氏は販売を妨害している
「1-10 販売妨害は天羽優子氏の初めからの意図
「飲料水などを改良,改質する器具を販売している企業のホームペ一ジの文章を分析し,批判し,意図的にその販売を妨害することで,いくつかの企業に対して経済的損失を与え,その名誉を毀損している。」(6ぺ一ジ)
② http://www.minusionwater.com/1shou789.htm(甲3の2)
「読者からメールをもらって『水商売な方』と呼ぶ,天羽優子氏の,社会人としての常識のなさに呆れるが,要するに『水商売ウォッチング』の目的は『怪しい科学と抱き合わせで』『販売が行われることが困る』『その一点につきる』のである。販売が行われても,別に彼女が直接に『困る』こともないはずだから,『困る』とは『私は許さない』という意味である。だから彼女は『困らないように』行動するつまり販売を妨害するわけだ。そして,その科学が怪しいかどうかは,彼女が独断で一方的に決めるのである。一方で販売を妨害するつもりはないと言っておきながら,こういうところでうっかり本音をもらしてしまっている。
 ここに,彼女が販売を妨害する意図を持っていることをはっきりと示す文章がある。」(1ぺ一ジ)
 「②の部分を批判するだけだと言いながら,そんな製品は買うな,と言っている。これが彼女の本音である。『水商売ウォッチング』が,販売妨害にまで突っ走っていることがはっきり分かる文章である。」(1ぺ一ジ)
③ http://www.minusionwater.com/112.htm(甲3の3)
 「販売妨害は天羽優子氏の初めからの意図である」(1ぺ一ジ)
 「天羽優子氏は水商売ウォッチングで,業者を恣意的に選び出し,その人々に先制攻撃をかけて販売を妨害している。彼女はいろいろと建前を述べて煙幕を張ってはいるが,彼女の意図は初めから販売妨害にある
 そもそも『水商売』という命名が,そのことを物語っているのだ。健康を考え環境を考えて,よりよい水を人々に届けたいと活動する人々を十把ひとからげにして,からかいの気持ちを込めて『水商売』と呼び,自らその監視役に任じ,自らのサイトに『水商売ウォッチング』と名付けた,そのときから彼女の意図はそのようなビジネスをしている人々に先制攻撃をかけてそのビジネスを妨げようというものなのである。」(1ぺ一ジ)
④ http://www.minusionwater.com/2shou456.htm(甲3の4)
 「『②にツッコミを入れるが,③は性善説で信じましょう。ビジネスは妨害しません』などという彼女の言葉は欺隔である。『真っ赤な嘘』で『完全に騙されて』います,というのが彼女の本音であり,彼女はビジネスを妨害したいのである
 水は不変だ,という自分の勝手な思いこみに立脚し,さまざまな知識をひけらかし,水についてのビジネスを『水商売』と蔑称し,それに携わる人々をうそつき呼ばわりし,そのビジネスをつぶしてしまえ,というのが『水商売ウォッチング』の本性である。」(6ぺ一ジ)
⑤ http://www.minusionwater.com/34.htm(甲3の5)
 「彼女は,お茶の水女子大学を利用して企業の販売活動を妨害し,自分に対する批判は恫喝で押さえつけ,傍若無人の振る舞いをしてきた。それらの行動はすべて,彼女の『将来を賭けた』行動,すなわち彼女の個人的な欲求を満たすための行動だったのである。」(8ぺ一ジ)
⑥http://www.minusionwater.com/hihan11.htm(甲3の6)
 「一方,『水商売ウォッチング』では,町で見かけた看板からウェブサイトをたどり,それを読んだだけで,『日本温泉療術院』において,あたかも悪徳商法が行われているように決めつけ,嘲笑した。その結果『日本温泉療術院』で顧客の減少などの実害が発生している可能性がある。(もともと客を減らすことが目的の書込みである)」(1ページ)
(イ) これらの記載が,(1)アで述べたのと同様の理由から,原告の品性,学者としての信用といった人格的価値について杜会から受ける客観的価値を低下させるものであり,名誉毀損にあたることは明らかである。
イ 侮辱
(ア) また,本件サイトには,以下のような記載がある(下線は,間題となる部分について,原告代理人が付け加えたものである。)。
① http://www.minusionwater.com/1shou789.htm(甲3の2)
 「天羽優子氏は,本人が納得していないからインターネットを見るのだと決めつけている。彼女の言動を見ていると,彼女には想像力というものがほとんどないようで想像力がなければ他人への思いやりも生まれようがないわけだが,実際には,実例で紹介したように,本人は納得していても,配偶者など身内が『水商売ウォッチング』を見て反対するというケースが多々あるのである。」(3ぺ一ジ)
② http://www.minusionwater.com/2shou456.htm(甲3の4)
「1-3で彼女は天羽私はたまたま水について一般の人より科学的に正確な情報を知りうる立場におり,私がそういう立場にいるのは社会が支えてくれているのだから,知識を世の中に還元するという役割がある。と,頼まれもしないのに勝手な役割を自分に割り振っているが,彼女の認識が根本から間違っているので彼女の知識を垂れ流せば流すほど世の中の害にしかならない。」
③ http://www.minusionwater.com/2shoulO1112.htm(甲3の7)
 「『水商売ウォッチング』の基調をなす非科学的な教義全体にちりばめられた,非礼で無慈悲な悪口雑言の数々幼稚でずさんな認識力思考の硬直性と奥行きのなさなどを見れば彼女はもともと自然科学の探究には向いていないと思われる。そしておそらく教育職にも。」(5ぺ一ジ)
(イ)これらの記載が,社会生活上是認できる程度を超えて原告の名誉感情を侵害するものであり,違法であることは,(1)イで述べたのと同様である。
ウ 肖像権侵害
 被告吉岡は,http://www.minusionwater.com/amou2.jpgにおいて,本件書籍の42ページに掲載したものと同じ写真を,510×816の高解像度の画像として掲載している。被告吉岡は,以前は,当該画像に対し,本文からのリンクを貼っていたが,現在は本文からのリンクを削除しているようである。しかし,URLを直接入力すれば当該画像を表示できるのであって,今なおこれが公開されていることに変わりはない。
 これは,原告の肖像権を侵害する行為である。
(3) 損害
ア 本件書籍が発行され,販売され続けていることにより,原告は,名誉権及び名誉感情を侵害され,多大な精神的苦痛を被っている。
 特に,本件書籍が,原告の共同研究先であるお茶の水女子大学に提出されたことで,原告の名誉権や名誉感情を害する表現が,直接,原告の関係者に流布することになった。これによって原告の受けた精神的苦痛はきわめて甚大である。
 こうした損害を金銭に評価すると,250万円を下らない。
イ また,本件サイトに記事が掲載され,違法な表現が世界中に流布され続けることによって,原告は多大な精神的苦痛を被っており,その損害を金銭に評価すると,250万円を下らない。
ウ さらに,本件書籍および本件サイトに,原告の承諾なく,みだりに顔写真が広く公表されたことにより,原告は困惑,不安感等の多大な精神的苦痛を被っている。この損害を金銭に評価すると,100万円を下らない。
エ そして,原告は,これらの被害の回復を求めて,原告訴訟代理人に委任して本件提訴に至ったが,その弁護士費用のうち,上記各損害額の1割に相当する各30万円は,本件各不法行為と相当因果関係のある損害というべきである。

3 被告クラブの責任
(1) 被告吉岡は,被告クラブが販売する「マグローブ」の効能の正しさを訴えるために,原告のサイトに対する批判活動を行っているものである。
 本件書籍及び本件サイトの記載上も,被告吉岡が,被告クラブの代表者として,本件書籍を発行し,本件サイトに記事を掲載していることが明記されている。
 したがって,本件雑誌を発行,提出及び販売し,あるいは,本件サイトに記事を掲載することは,その行為の外形上,被告クラブの取締役としての職務の範囲に属し,「その職務を行うについて」したものというべきである。
(2) したがって,被告クラブは,原告の上記損害について,会社法350条に基づき,被告吉岡と連帯して賠償する責任を負う。

4 被告マグローブの責任
(1) 被告吉岡は,被告マグローブのウェブサイト上にある,「インターネットでの中傷に反論します」という表題のぺ一ジ(http://www.maglobe.co.jp/ocha.htm)(甲4)において,被告マグローブの代表取締役の肩書きを用いて,本件書籍を作成してお茶の水大学に提出した旨述べている。
 これは,被告吉岡による本件書籍の発行,提出及び販売が,「マグローブ」の製造会杜である被告マグローブの代表者としての立場においてもなされたことを示すものである。
 また,被告吉岡は,本件サイトにおいて,本件書籍の内容を掲載するにあたって,被告マグローブの代表者であると自ら表記しているほか,「インターネット版補遺」と題して,被告マグローブの代表者の肩書きを用いて,本件書籍の内容を補足する記載をしている(http://www.minusionwater.com//biwakomesse.htm)(甲3の8)。
 これは,被告吉岡による本件サイトヘの記事の掲載が,被告マグローブの代表者としての立場においてもなされたことを示すものである。
 これらのことからすれば,本件書籍の発行,提出及び販売並びに本件サイトヘの記事の掲載は,行為の外形上,被告マグローブの取締役としての職務の範囲に属し,「その職務を行うについて」したものというべきである。
(2) したがって,被告マグローブは,原告の上記各損害について,会杜法350条に基づき,被告吉岡と連帯して賠償する責任を負う。

5 削除義務
 人格的価値は極めて重要な保護利益であり,物権と同様の排他性を有する。したがって,人格権侵害が認められる場合には,加害者に対し,人格権の排他性に基づいて,現に行われている侵害行為を排除し,又は将来生ずべき侵害を予防するため,侵害行為の差し止めを求めることができる(最高裁判所昭和61年6月11日判決民集40巻49号872頁)。
 そして,被告らは,2ないし4で述べたとおり,原告の名誉権や名誉感情および肖像権を侵害する記載を公表しており,これによって今もなお原告の名誉権や名誉感情および肖像権を侵害し続けているのであって,これを差し止める必要性は極めて高い。
 したがって,原告は,被告らに対し,未販売及び今後重刷する被告吉岡の著書「水は変わる」から2(1)で指摘した文言および写真を,また,本件サイトから2(2)で指摘した文言および写真を,それぞれ削除する義務を負う。

6 結論
 よって,原告は,被告らに対し,不法行為に基づき,連帯して660万円及びこれに対する訴状送達の日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による金員の支払いを求めるとともに,未販売及び今後重刷する本件書籍から別紙1記載の文言および本件書籍42ぺ一ジ記載の原告の写真を,また,本件サイトから別紙2記載の文言およびhttp://www.minusionwater.com/amou2.jpgに掲載する原告の写真の画像を,それぞれ削除することを求める。

証拠方法

別紙証拠説明書記載のとおり

付属書類

1 訴状副本    3通
2 甲号証の写し 各3通
3 資格証明書   2通
4 訴訟委任状    1通

以上


別紙1

① 序文
「飲料水などを改良,改質する器具を販売している企業のホームページの文章を分析し,批判し,意図的にその販売を妨害することで,いくつかの企業に対して経済的損失を与え,その名誉を毀損している。」
②目次
「1-7 天羽優子氏は販売を妨害している  15」
「1-10 販売妨害は天羽優子氏の初めからの意図  23」
③16ぺ一ジ
「読者からメールをもらって『水商売な方』と呼ぶ,天羽優子氏の,社会人としての常識のなさに呆れるが,要するに『水商売ウォッチング』の目的は『怪しい科学と抱き合わせで』『販売が行われることが困る』『その一点につきる』のである。販売が行われても,別に彼女が直接に『困る』こともないはずだから,『困る』とは『私は許さない』という意味である。だから彼女は『困らないように』行動する,つまり販売を妨害するわけだ。そして,その科学が怪しいかどうかは,彼女が独断で一方的に決めるのである。一方で販売を妨害するつもりはないと言っておきながら,こういうところでうっかり本音をもらしてしまっている。
 ここに,彼女が販売を妨害する意図を持っていることをはっきりと示す文章がある。」
 「②の部分を批判するだけだと言いながら,そんな製品は買うな,と言っている。これが彼女の本音である。『水商売ウォッチング』が,販売妨害にまで突っ走っていることがはっきり分かる文章である。」
④ 23ぺ一ジ
 「販売妨害は天羽優子氏の初めからの意図である」
 「天羽優子氏は水商売ウォッチングで,業者を恋意的に選び出し,その人々に先制攻撃をかけて販売を妨害している。彼女はいろいろと建前を述べて煙幕を張ってはいるが,彼女の意図は初めから販売妨害にある。
 そもそも『水商売』という命名が,そのことを物語っているのだ。健康を考え環境を考えて,よりよい水を人々に届けたいと活動する人々を十把ひとからげにして,からかいの気持ちを込めて『水商売』と呼び,自らその監視役に任じ,自らのサイトに『水商売ウォッチング』と名付けた,そのときから彼女の意図は,そのようなビジネスをしている人々に先制攻撃をかけて,そのビジネスを妨げようというものなのである。」
⑤ 45ぺ一ジ
 「『②にツッコミを入れるが,③は性善説で信じましょう。ビジネスは妨害しません』などという彼女の言葉は欺隔である。『真っ赤な嘘』で『完全に騙されて』います,というのが彼女の本音であり,彼女はビジネスを妨害したいのである。
 水は不変だ,という自分の勝手な思いこみに立脚し,さまざまな知識をひけらかし,水についてのビジネスを『水商売』と蔑称し,それに携わる人々をうそつき呼ばわりし,そのビジネスをつぶしてしまえ,というのが『水商売ウォッチング』の本性である。」
⑥ 78ぺ一ジ
 「彼女は,お茶の水女子大学を利用して企業の販売活動を妨害し,自分に対する批判は恫喝で押さえつけ,傍若無人の振る舞いをしてきた。それらの行動はすべて,彼女の『将来を賭けた』行動,すなわち彼女の個人的な欲求を満たすための行動だったのである。」
⑦ 19ぺ一ジ「彼女の言動を見ていると,彼女には想像力というものがほとんどないようで,想像力がなければ他人への思いやりも生まれようがないわけだが,」
⑧ 45ぺ一ジ
「彼女の認識が根本から間違っているので,彼女の知識を垂れ流せぱ流すほど,世の中の害にしかならない。」
⑨ 66ぺ一ジ「『水商売ウォッチング』の貴重をなす非科学的な教義,全体にちりばめられた,非礼で無慈悲な悪ロ雑言の数々,幼稚でずさんな認識力,思考の硬直性と奥行きのなさ,などを見れば,彼女はもともと自然科学の探究には向いていないと思われる。そしておそらく教育職にも。」


別紙2

① http://www.minusionwater.com/
「飲料水などを改良,改質する器具を販売している企業のホームページの文章を分析し,批判し,意図的にその販売を妨害することで,いくつかの企業に対して経済的損失を与え,その名誉を毀損している。」
「1-7 天羽優子氏は販売を妨害している」
「1-10 販売妨害は天羽優子氏の初めからの意図」
② http://www.minusionwater.com/1shou789.htm
「読者からメールをもらって『水商売な方』と呼ぶ,天羽優子氏の,杜会人としての常識のなさに呆れるが,要するに『水商売ウォッチング』の目的は『怪しい科学と抱き合わせで』『販売が行われることが困る』『その一点につきる』のである。販売が行われても,別に彼女が直接に『困る』こともないはずだから,『困る』とは『私は許さない』という意味である。だから彼女は『困らないように』行動する,つまり販売を妨害するわけだ。そして,その科学が怪しいかどうかは,彼女が独断で一方的に決めるのである。一方で販売を妨害するつもりはないと言っておきながら,こういうところでうっかり本音をもらしてしまっている。
 ここに,彼女が販売を妨害する意図を持っていることをはっきりと示す文章がある。」
「②の部分を批判するだけだと言いながら,そんな製品は買うな,と言っている。これが彼女の本音である。『水商売ウォッチング』が,販売妨害にまで突っ走っていることがはっきり分かる文章である。」
③ http://www.minusionwater.com/112.htm
「販売妨害は天羽優子氏の初めからの意図である」
「天羽優子氏は水商売ウォッチングで,業者を恋意的に選び出し,その人々に先制攻撃をかけて販売を妨害している。彼女はいろいろと建前を述べて煙幕を張ってはいるが,彼女の意図は初めから販売妨害にある。
 そもそも『水商売』という命名が,そのことを物語っているのだ。健康を考え環境を考えて,よりよい水を人々に届けたいと活動する人々を十把ひとから,ゴにして,からかいの気持ちを込めて『水商売』と呼び,自らその監視役に任じ,自らのサイトに『水商売ウォッチング』と名付けた,そのときから彼女の意図は,そのようなビジネスをしている人々に先制攻撃をかけて,そのビジネスを妨げようというものなのである。」
④ http://www.minusionwater.com/2shou456.htm
「②にツッコミを入れるが,③は性善説で信じましょう。ビジネスは妨害しません』などという彼女の言葉は欺隔である。『真っ赤な嘘』で『完全に騙されて』います,というのが彼女の本音であり,彼女はビジネスを妨害したいのである。
 水は不変だ,という自分の勝手な思いこみに立脚し,さまざまな知識をひけらかし,水についてのビジネスを『水商売』と蔑称し,それに携わる人々をうそつき呼ばわりし,そのビジネスをつぶしてしまえ,というのが『水商売ウォッチング』の本性である。」
⑤ http://www.minusionwater.com/34.htm一彼女は,お茶の水女子大学を利用して企業の販売活動を妨害し,自分に対する批判は桐喝で押さえつけ,傍若無人の振る舞いをしてきた。それらの行動は÷べて,彼女の『将来を賭けた』行動,すなわち彼女の個人的な欲求を満たすための行動だったのである。」:亘)http://www.minusionwater.com/hihan11.htm
「(もともと,客を減らすことが目的の書込みである)」
⑦http://www.minusionwater.com/1shou789.htm
「彼女の言動を見ていると,彼女には想像力というものがほとんどないようで,想像力がなければ他人への思いやりも生まれようがないわけだが,」
⑧http://www.minusionwater.com/2shou456.htm(甲3の4)
「彼女の認識が根本から間違っているので,彼女の知識を垂れ流せば流すほど,世の中の害にしかならない。」
⑨http://www.minusionwater.com/2shou101112.htm
「『水商売ウォッチング』の貴重をなす非科学的な教義,全体にちりばめられた,非礼で無慈悲な悪口雑言の数々,幼稚でずさんな認識力,思考の硬直性と奥行きのなさ,などを見れぱ,彼女はもともと自然科学の探究には向いていないと思われる。そしておそらく教育職にも。」

戻る