訴変更申立書(2008/02/18)

原告 天羽優子
被告 吉岡英介 外2名

訴変更申立書

2008(平成20)年2月18日

東京地方裁判所 民事第44部合議C係 御中

原告訴訟代理人弁護士 弘中惇一郎
同 弘中絵里
同 大木 勇
同 品川 潤

 原告は,上記当事者間の御庁平成20年(ワ)第5号損害賠償等請求事件について,以下のとおり請求の原因を追加する。なお,請求する損害賠償の金額については,既に請求している660万円の範囲で内金として請求するものである。従って,請求の趣旨の変更は伴わない。

1 原告は,訴状において,被告吉岡がお茶の水女子大学に対し,本件書籍を提出したことを含め,本件書籍販売行為を一連の不法行為として主張していた。
 しかし,このたびの被告らからの答弁書やその後の原告による調査により,被告吉岡が,お茶の水女子大学に対しては,本件書籍とは異なる体裁の書面を交付したり,あるいは本件書籍にその他の手紙や資料を添付して送付したことが判明した。そこで,お茶の水女子大学の関係者らに対する本件書籍等の交付・送付行為を独立した不法行為として、請求の原因に追加するものである。

2 お茶の水女子大学に対する本件書籍のプリント版(以下「本件プリント版」という)の交付による不法行為
(1) 平成17年10月,被告吉岡は、お茶の水女子大学に赴いて、同校の学長宛として、甲第5号証の「お茶の水女子大学への要求書」と題する書面を秘書室の担当者に交付した。その後,甲第5号証は,お茶の水女子大学の広報委員会に回された。
 本件プリント版は、本件書籍と体裁や細かいレイアウトの点では異なるものの、書かれている内容はほとんど同一であり、訴状で指摘したのと同様に,名誉毀損ないし侮辱に該当する記載がなされている。具体的には(2),(3)で指摘するとおりである。
(2) 名誉毀損に該当する記述(下線は,問題となる部分について,原告代理人が付け加えたものである。)。
① 序文「飲料水などを改良,改質する器具を販売している企業のホームページの文章を分析し,批判し,意図的にその販売を妨害することで,いくつかの企業に対して経済的損失を与え,その名誉を殿損している。」
② 目次
 「1-8 天羽優子氏は販売を妨害している 」
 「1-11 販売妨害は天羽優子氏の初めからの意図 」
③ 13ぺ一ジ
 「読者からメールをもらって『水商売な方』と呼ぶ,天羽優子氏の,社会人としての常識のなさに呆れるが,要するに『水商売ウォッチング』の目的は『怪しい科学と抱き合わせで』『販売が行われることが困る』『その一点につきる』のである。販売が行われても,別に彼女が直接に『困る』こともないはずだから,『困る』とは『私は許さない』という意味である。だから彼女は『困らないように』行動する,つまり販売を妨害するわけだ。そして,その科学が怪しいかどうかは,彼女が独断で一方的に決めるのである。一方で販売を妨害するつもりはないと言っておきながら,こういうところでうっかり本音をもらしてしまっている。
 ここに,彼女が販売を妨害する意図を持っていることをはっきりと示す文章がある。」
 「②の部分を批判するだけだと言いながら,そんな製晶は買うな,と言っている。これが彼女の本音である。『水商売ウォッチング』が,販売妨害にまで突っ走っていることがはっきり分かる文章である。」
④ 18ぺ一ジ
 「販売妨害は天羽優子氏の初めからの意図である
 「天羽優子氏は水商売ウォッチングで,業者を恣意的に選び出し,その人々に無警告で先制攻撃をかけて販売を妨害している。彼女はいろいろと建前を述べて煙幕を張ってはいるが,彼女の意図は初めから販売妨害にある
 そもそも『水商売』という命名が,そのことを物語っているのだ。健康を考え環境を考えて,よりよい水を人々に届けたいと活動する人々を十把ひとからげにして,からかいの気持ちを込めて『水商売』と呼び,自らをその監視役に任じ,自らのサイトに『水商売ウォッチング』と名を付けた,そのときから彼女の意図は,そのようなビジネスをしている人々に先制攻撃をかけて,そのビジネスを妨げようというものなのである。」
⑤ 36ぺ一ジ
 「『②にツッコミを入れるが,③は性善説で信じましょう。ビジネスは妨害しません』などという彼女の言葉は欺瞞である。『もし,業者が,水そのものに変化を及ぽすような説明をしたとしたら,その部分については『真っ赤な嘘』で『完全に騙されて』います』というのが彼女の本音であり,彼女はビジネスを妨害したいのである
 水は不変だ,という自分の勝手な思いこみに立脚し,さまざまな知識をひけらかし,水についてのビジネスを『水商売』と蔑称し,それに携わる人々をうそつき呼ばわりし,そのビジネスをつぶしてしまえ,というのが『水商売ウォッチング』の本性なのだ。」
⑥ 58ぺ一ジ
「彼女は,お茶の水女子大学を利用して企業の販売活動を妨害し,自分に対する批判は恫喝で押さえつけ,傍若無人の振る舞いをしてきた。それらの行動はすべて,彼女の『将来を賭けた』行動,すなわち彼女の個人的な欲求を満たすための行動だったのである。」
(3) 侮辱に該当する記述(下線は,問題となる部分について,原告代理人が付け加えたものである。)。
①16ぺ一ジ
 「天羽優子氏は,本人が納得していないからインターネットを見るのだと決めつけている。彼女の言動を見ていると,彼女には想像力というものがほとんどないようで,想像力がなければ他人への思いやりも生まれようがないわけだが,実際は,実例で紹介したように,本人は納得していても,配偶者など身内が『水商売ウォッチング』を見て反対するというケースが多々あるのである。」
②36ぺ一ジ
「1-3で彼女は
天羽 私はたまたま水について一般の人より科学的に正確な情報を知りうる立場におり,私がそういう立場にいるのは杜会が支えてくれているのだから,知識を世の中に還元するという役割がある。
と自負を述べていたが,彼女の認識が根本から間違っているので,知識を還元すればするほど世の害にしかならない。」
③66ぺ一ジ
 「『水商売ウォッチング』の基調をなす非科学的な教義,全体にちりばめられた,非礼で無慈悲な悪口雑言の数々,幼稚でずさんな認識力,思考の硬直性,などを見れば,彼女はもともと自然科学の探究には向いていないと思われる。」
(4) 肖像権侵害
 被告吉岡は,本件プリント版の32頁に,平成16年10月号「第三文明」に掲載された原告の顔写真を,原告に無断で掲載した。これは,原告の肖像権を侵害する行為である。
(5) なお,前記(2)(3)で指摘した文章と,訴状で既に指摘した文章は,ごく一部に表現の違いはあるものの,ほとんど同一であり,趣旨も同一である。したがって,かかる部分が違法である理由については,訴状6頁(イ)以下や同8頁(イ)以下と同一であるので,ここでは繰り返さない。

3 本件書籍を含む資料をお茶の水女子大学理学部長宛送付したことに基づく不法行為
 平成18年1月25日,被告吉岡は,お茶の水女子大学理学部長真島秀行宛に,資料を添えて(添付資料1は本件書籍〔甲2〕。添付資料2-6は甲6の2-6として提出),「水商売ウォッチング」をお茶の水女子大学のサーバから削除することを,お茶の水女子大学理学部の教授会で検討するよう求める手紙を送った(甲6の1)。なお,手紙の2頁で,CCとして数学科の藤原正彦教授の名が挙がっていることからすると,被告吉岡は,同教授にもこれらの資料を検討してほしいと望んでいたようである。
 本件書籍における違法な記述ないし写真の掲載は,訴状で指摘したとおりであるから,繰り返さない。

4 第2項,第3項の不法行為を含む,本件書籍ないし本件プリント版の交付・販売による損害
 原告は,被告の共同研究先であるお茶の水女子大学の学長や,広報部,理学部の関係者らに本件書籍の内容が伝達されることにより,多大なる精神的苦痛を被った。
 さらに,本件書籍はお茶の水女子大学の関係者のみならず,広く一般の読者に販売されたのであり(甲6の4からも,本件書籍が第三者に販売された事実が分かる),こうした本件プリント版ないし本件書籍の販売・交付によって原告が被った損害を金銭的に評価すると,250万円は下らないものである。

以上

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