本人調書(冨永)

 本人調書  裁判所書記官
(この調書は第8回口頭弁論調書と一体となるものである。)

事件の表示 平成19年(ワ)第1493号
      平成19年(ワ)第2355号
      平成20年(ワ)第149号
期日  平成20年10月22日午前10時30分
氏名  冨永靖徳
年齢  64歳(昭和19年5月10日生)
住所  埼玉県■■■■■■■■■
  裁判長(官)は,宣誓の趣旨を説明し,本人が虚偽の陳述をした場合の制裁を告げ,別紙宣誓書を読み上げさせてその誓いをさせた。

陳述の要領

裁判所速記官作成の速記録のとおり

以上

原本番号平成20年民第19号の2
  速記録(平成20年10月22日第8回口頭弁論)
事件番号 平成19年(ワ)第1493号,同第2355号,平成20年(ワ)第149号
参加人氏 名冨永靖徳

参加人富永代理人
丁第3号証を示す
  これは陳述書ですね。
    はい。
  内容には間違いないですか。
    ありません。
  あなたは水の研究されてますね。
    はい。
  どれぐらい研究されてて,お立場があるかということを,ちょっとお伺いしたいんですが。
    はい。
  どんな感じですかね。けっこうされている。
    かれこれ,もう20年以上,水の科学に携わっております。
  じゃあ,こういう言い方はどうでしょうか。あなたは水の科学に関する目本の第一人者だと。
    そう自負しております。
  今回問題になっている水商売ウォッチングの掲示板ですけども,だれが管理責任者ですか。
    私です。
  天羽さんではないですか。
    天羽さんには,コンテンツをお願いしております。
  責任者はあなたということでいいですね。
    はい。
乙第1号証,乙第4号証を示す
  乙1号証のうちの8条3項,責任者となる資格を有する者は,本学専任の教員,外国語教員及び常勤事務職員とすると。
    はい。
  こういうことからも,責任者ということですね。
    はい。
  乙4号証のほうのマニュアル9枚目の,第2部,運営規貝1」各条に関する運用指針及び解説事項の定義規定の第2条の7号,責任者とは,お茶大ぺ一ジの管理運営を職務として行うために,本学によって定められた者をいうと書いてあります。
    はい。
  これは,お茶の水大学から,あなたに定めてたんですね。
    そうです。
  念のために,天羽さんが管理責任者であるという趣旨であったら,サーバーの利用を天羽さんには許しましたか。
    許すことはできませんでした。
  先ほど言った規約の関係もあるんですね。
    そうです。
  掲示板の記載内容に関して,何を残すかとか,何を削除するかというのは,だれの判断だったんですか。
    私の判断です。天羽さんと十分相談した上で,私の判断で出しました。
  何があるかというのは,天羽さんから逐次報告がありましたか。
    逐一報告ありました。
  今回問題になっている削除請求の件ですが,最初,だれからだれに対して請求があったんですか。
    最初は,吉岡氏の代理人が,内容証明でもって,大学に書面が行きました。2007年2月ぐらいだったと思います。
  その後,プロ責法のガイドラインのフォーマットに従って請求されてますね。
    はい。大学は運用規則に従ってクレームをするように返しましたところ,フォーマジトに従った請求が,3月だったと思います,来ました。
  これは,あなたのほうにもちゃんと連絡は行った。
    連絡は来ました。大学を通じて,私のところに連絡が入りました。それで,正式に審議が始まりました。
  今回ですが,何かマグローブの関係,活水器に関する関係について,削除の請求があったわけですよね。
    はい。
  活水器に関してあなたが知ったのは,いつぐらいのころですか。
    詳しくは覚えていませんが,平成16年ごろ,東京都の活水器の取材を受けたときから,知りました。
  そうすると,今回の削除請求が大学に出された段階で,あなたは磁気活水器について一通りの知識を有していたということでいいですか。
    はい。
  削除請求が来て,あなたのほうに連絡が来ました。そのときに,あなたはどういう対応をされましたか。
    内容の文面を見て,これは削除に当たらないと判断いたしました。
  ほかに,書き込んだ本人には確認しましたか。
    書き込んだ本人と十分相談した上で,そのように判断いたしました。
  マグローブの商品は確認しましたか。
    確認したのはずっと後で,最近確認いたしました。
  ホームページは見ましたか。
    ホームページは見ました。
  その書き込みに対する評価ですが,あなたは,この文言が,原告が悪徳商法をやっているというふうな趣旨で書いてるように見えましたか。
    そうは思いません。悪マニに掲載されるであろうと予想が書かれているだけで,この文言だけから,悪徳商法であるとは書かれていないというふうに判断いたしました。
  予想を掲示板に書くことは,名誉穀損になると思いましたか。
    名誉殿損には当たらないというふうに判断いたしました。
  これが予想かどうかという観点を離れて,マグローブが悪徳商法か否かについては,あなたはどう思ってましたか。
    マグローブの宣伝文句から見る限り,科学的根拠に全くのっとっていない,客観的な事実が示されていないという時点で,そういう意味で,悪徳だと思いました。
  あなたの考える悪徳商法とは何ですか。
    客観的な事実に基づかないで販売をするものは悪徳だというふうに考えております。
  ダイポールとの関係はどう思ってましたか。
    同じようなものだというふうに思っておりました。ダイポールの改良型といいますか,ダイポールの残りが新たな装いをしてマグローブになったんだというふうに,そのとき認識いたしました。
  ダイポールについて,公正取引委員会から排除命令が出たというのは知ってましたか。
    存じております。
丙第2号証を示す
  丙2号証というのは見たことありますかね。
    見たことあります。
  これに書いてる記載と,ダイポールの場合の記載,これって,似てるか似てないか,どう思われますか。
    よく似ていると思います。
  そういうこともあって,ダイポールと何かつながりがあるのかなと思ったんですね。
    はい。
  丙2号証を今見てもらいましたけれども,ここに書かれていたようないろいろな効果というのは,実際には認められるようなものなんですか。
    私は認められないと思います。
  時間はちょっと前後しますけど,あなたは,マグローブについて,購入して検証しましたね。
    はい。
丁第1号証を示す
  意見書ですけども,これが,あなたの検証した結果が書かれてある文書ですね。
    そうです。
  クラスターについて何か検討されたみたいですが,クラスターというのは,どういうものですか。
    世間一般でクラスターといわれている概念と学術的なクラスターは全く異なるもので,学術的にいわれるクラスターというのは,非常に極めて短い時間だけ,ある構造を持っている。それを普通の時間で見た場合には,全く平均化されて,そういうものの存在は,検知することはできま
せん。
丁第2号証を示す
  ぶんせき別刷の水のクラスターという文章ですが,これはあなたがお書きになった。
    はい,私が書きました。
  これに関しては,要するに,水というのは常に結合と分裂を繰り返しているので,長時問的に見ると,そういうクラスターというのはあんまり意味がないと。
    平均的なものになってしまいます。
  ということを書かれてますね。
    はい。
  そうすると,長時間,一定時間以上,水のクラスターに変化があるというのは,もうそれ自体ナンセンスじゃないですか。
    現在の知られている科学では,それはだれも認めておりません。
  今回,検証結果,クラスターに変化はありましたか。
    ありませんでした。
  科学者の常識からちょっとお伺いしたいんですが,磁気を通した水が,クラスターに変化が起こりましたというのは,どれぐらいあり得ないんですかね。
    もしそれが本当に再現されたとしたら,私は世界の著名な学術誌に喜んで投稿いたします。世界中で話題になると思います。
  それぐらいあり得ない。
    はい。
  原告さんは,クラスターの変化が有力な仮説とおっしゃってるみたいですが,これは本当ですか。
    磁気を通してクラスターが変わるというのは,少なくとも物理化学の分野では仮説でもありません。
  逆に水自体の組織に何かの変化があった場合,ラマンとか赤外線分析とかの結果に変化がないということはあり得ますか。
    水の分子自体に何かの変化があれば,振動分光,あるいはそういった微視的な測定に,必ず掛かります。
  そうすると,何らかの変化が検知できると。
    変化が検知されます。
  念のため,クラスターと,マイナスイオンとかアルカリイオンとかは関係ありますか。
    全く関係のない概念です。
  今回の検証では界面活性もお調べになったようですが,マグローブを通した水に関して界面活性は変化がありましたか。
    全くありませんでした。界面活性,表面張力に変化がありませんでした。
  表面張力に変化ないですね。
    はい。
  表面張力に変化がなく,油がよく溶けるということはあり得ますか。
    ちょっと考えられないと思います。
  界面活性が変化せずに油がよく溶けるというのは,それ自体問違いということでいいですかね。
    と考えていいと思います。
甲第33号証ないし甲第37号証を示す
  もう,これ,合理的な資料とは言えないということを吉岡さんがお認めになったんで,ざっと見ていただくだけにとどめますが,これって,科学者の目から見て,合理的な資料と言えますか。
    全く合理的ではなくて,グラフに縦軸横軸の説明のないグラフがあれば,学生の提出物なら突っ返します。これは資料ではありません。
甲第43号証を示す
  これ,いろんな人の体験談が書かれてますが,こういうのは,科学者の目から見て,合理的な資料と言えますか。
    体験談は体験談で,科学的な客観性という面からは,資料とは言えません。
  これは御本人の御主観が書かれてるものですね。
    はい。
  こういうものというのは,ある程度根拠になるんですかね。
    少なくとも科学的な根拠としては,ならないと考えています。
  今回,検証されて,変化がなかったということですが,これって,マグローブ買って試さないと分からないようなことですか。
    買わなくても,当然想像付くことでありますけれども,確かめないと説得力がないので,大枚をはたいて確かめました。
  今回,客観的に明らかにしようということで,あえてやっただけなんですね。
    はい,あえてやりました。非常に気を付けてやりました。
  こういう認識ですが,最初に削除の請求が来たときに,もう持ってましたか。
    はい。
  そういうこともあって,悪徳商法だという判断をされたということですね。
    そうです。
  今回,確認しますが,書き込みを削除するべきではないと思った理由ですが,悪マニに載るだろうというのは名誉段損にならないということを先ほどおっしゃいましたね。
    はい。
  ダウンの人たちが法律遵守して宣伝するとは思えないという点に関しては,あなたはどうして名誉殿損に当たらないと思いましたか。
    これも予想であって,名誉殿損には当たらないというふうに判断いたしました。単なる予想は名誉穀損にはならないというふうに判断いたしました。
  この削除請求に対して,あなたは対応されましたか。
    対応という意味は。
  要するに,何か回答されましたか。
    大学を通じて,回答書を書きました。コンテンツを書いた天羽さんと十分相談した上で,マルチでないということであれば書いてることが事実に反するので削除する理由になりますという回答書を送りました。
甲第10号証を示す
  この回答書が,あなたがおっしゃる回答書ですね。
    そうです,はい。大学が出した回答書の中に,私の書いた文章が書かれております。
  これに対して,凍告のほうから,何か連絡や御意見とかありましたか。
    何もありませんでした。いきなり訴状が大学に届きました。
  あなたは,そのことに対してどう思われましたか。
    大変不本意に思いました。
  どうしてですか。
    まだ交渉中の事柄を,いきなり,私あるいは天羽さんでなくて,大学をいきなり訴えたということに対して,非常に理不尽な思いをいたしました。
  あなた,ホームページに金魚のしっぽとか言われちゃいましたね。そのことについてはどう思われますか。
    とても不快に思って,これこそ名誉穀損ではないかというふうに私は思っております。

原告代理人
  主尋問でおっしゃってたことなんですけれども,この冨永先生の研究室のサイトですね,これは冨永先生が管理されてるということいいんですね。
    はい,責任者は私です。
  管理とか責任とかという,ちょっと抽象的な言葉なんですけど,もう少し具体的に言うとどういうことになりますか。
    常に内容を確認しております。
  つまり,書かれている内容について最終的に責任を持つということですね。
    そういうことです,はい。
  で,そのコンテンツについては天羽さんに任せておられるということですね。
    天羽さんと十分話をしながら,やっております。
  ちょっと一般論で伺うんですけれども,仮に不適切な内容の記述があったとなると,あなたとしてはどういう措置を執られるんですか。まずは天羽さんと十分な議論をいたします。で,なおかつ,それでも私が駄目だということであれば,私はそれを削除する権限を持っております。
  あなたが削除をするんですか。具体的な操作はだれがするんですか。
    天羽さんに削除させます。
  天羽さんが従わなかったから,どうするんですか。
    サイトを閉鎖します。
  サイトを閉鎖するというのは,冨永研究室のサイト全体を閉鎖しちゃうんですか。
    一時的に閉鎖することもあり得ます。どうしても,それが,話がつかなければ,そういうことはあり得ます。
  個別に削除する能力というか,やり方というか,コンピュータのいじり方ですね。
    はい。
  は,冨永先生は御存じじゃないんですか。
    ある程度は分かっております。
  それはできるということなんですか。
    はい。
  去年の11月20日に,お茶大のほうから,水商売ウォッチング内の書き込みを削除するように指示がなされたことがありますね。
    どの案件でしょうか。
  平成19年11月20日に,そういう事実はありましたか。
    具体的にはどういうことでしょうか。
  具体的には,水商売ウォッチングの中の記述に関して。
    水商売ウォッチングのどの場所でしょうか。
  じゃあ,まず,こういう聞き方しましょう。平成19年11月20日に,水商売ウォッチングの中の書き込みを削除するように,お茶大から命じられたことはありますか。
    お茶の水と話が合いました。
  命じられたことがありますね。
    はい。
  で,その結果,天羽さんに削除の指示を出したということですよね。
    それは,お茶の水女子大学と私との間で約束がありまして,吉岡氏がこれを裁判をしている係争中においては,この掲示板に裁判に影響を与えるようなことは記載しないという約東事があったために,そのことを大学に指摘されたために,その約束に基づいて,天羽さんに削除をさせました。
  最終的には,天羽さん,それに従ったんですよね。
    はい。
  そういう約束というのは,言わば,冨永研究室のサイトの中の表現の自由に関することなんで,冨永先生としては不本意に思われたことはなかったんですか。
    私と大学との間の口約束です。それは,サイトを維持し,あるいは大学とうまくやっていくための約束事でありました。文書も何も残っておりません。
  逆に言うと,そういう約束をしなければ,何か大学と不都合が生じるんですか。
    分かりません,それは。それは私の判断です。
  あなたが大学とうまくやっていくための判断ということですか。
    そうです。
  最終的に,天羽さんはそれに従われたということですか。
    はい。
  削除の指示出すときに,一々中身を確認されませんでしたよね。
    …・中身というのは,どういうこと。
  つまり,どういったことが記載内容。
    中身は確認いたしました。
  しました。
    はい。中身,記載はしました。すべて文章を全部私は,逐一私はそれをメモいたしました。
  記載内容を確認された上で,天羽さんにこれを削除しなさいという指示を出したということですか。
    記載内容を,私は分かっておりました。それで,文章も分かっておりました。で,その番号について,この番号について削除するようにというふうな指示を出しました。
  ちょっと話変わりますけれども,あなたの御主張では,先ほどの証言では,マグローブ株式会社が悪徳商法をしているというふうにおっしゃいましたね。
    はい。
  で,悪徳商法の定義は,もう一度おっしゃっていただいていいですか。
    科学的根拠,あるいは客観的な根拠に基づかないで商品を売るということは,私は悪徳だと思っております。
  同じような理屈で,原告本人も悪徳商法を行っているという理解でいいんですかね。
    そこまでは,私は答える必要ないと思います。
  あなたの理解をお伺いしてるんですけれども。
    私は,マグローブというものの宣伝文句について,非常に不都合なものがあるというふうに考えてるだけです。そこまでの答えです。
  それと同様の話として,ダイポールに関して,公取の排除命令を受けたから,これは悪徳商法に違いないというふうに主張されてますね。
    はい。それで。最後まで言ってください。
  いや,されてますねという確認です。
    それは,表示の方法が悪かったということです。
  ダイポールに関しては,表示の方法が悪かったから悪徳商法だというふうにおっしゃってるんですか。
    景品取引法というのはそういうことじゃないでしょうか。客観的に,事実に基づかない表示がなされてたというふうに,僕は理解してます。
  表示が不適切だから,ダイポールに関しては悪徳商法だというふうにおっしゃってるわけですね。
    そうです。
  あと,この裁判の主張の中で,原告の会社が特許出願中であるという表示をしたことに対して,出願番号を問われたということがありましたね。
    はい。
  それはどういった意図で問われたんですか。
    特許の内容を十分知りたかったために,聞きました。
  特許の内容を十分知りたかったためですか。
    はい。
  当然,特許出願なんてしてないだろうという疑いの下に問われたんじゃないんですか。
    いや,それはあなたの憶測に過ぎません。
  それは憶測ですか。
    はい。
丁第1号証を示す
  5ぺ一ジのグラフを示します。これですね,25度,50度,100度,200度という温度差によって,このグラフが変わるということを示しておられるんですけれども。
    はい。
  これは,今,25とか50とかいう差が出てますよね。
    はい。
  これは,温度差でいうと,どれぐらいの差があれば違いとしてグラフが出るんですか。
    これは温度だけでなくて,圧力も変わってます。飽和蒸気圧曲線に沿っていますので。ここで示してるのは温度だけです。ですから,100度を超しても液体状態で存在するということは,温度と圧力が両方変わっております。
  私の質問は,25度とか50度とか100度とかというんで,色違いのグラフが,違うところを線が走っているのは分かりますよね。
    精密に測れば,数度変われば,このグラフの差は出ます。
  例えば,1度であっても,0.5度であっても,精密に測れば出るということですか。
    そうです,出ます。1度あれば,精密に測れば出ます。
  1度あれば出るということですか。
    はい。
  同じ丁1号証の8ぺ一ジを示します。これの縦軸なんですけれども,10の3乗を掛けてるということは,これ,下から,ゼロ,5000,1万,1万5000ということです力・。
    そうです,はい。
  先ほどの5ぺ一ジのグラフは,ゼロ,500,1000,1500,2000なんですが,これ,縦軸のゼロが1個違いますよね。
    はい。
  目盛りの単位が。
    はい。
  これ,何か意図があるんですか。
    意図はありません。これは測ったときに,あるものに標準化しているだけでもって,そこにアービタリスケールと書いてありますので,相対強度というふうに考えていただければいいかと思います。そのグラフの中でだけの相対強度です。いつも何かに,標準に合わせて,そのグラフの中だけでは比べられるようにしております。
甲第45号証を示す
  11ぺ一ジと12ぺ一ジを示します。このゴシック体の部分ですね,これは冨永先生の研究室のサイトの中に残っている記述なんですけれども,この記述の存在を御存じなわけですか。
    これですか。
  はい,ゴシック体の部分ですね。
    はい,知っております。
  これも,先生の研究室のサイトからの情報発信としてはふさわしいものであるということで残されてるという理解でいいんですか。
    特に消さなければいけないという理由はなかったということです。

被告代理人
  冨永研究室びじた一案内というサイトの中に,apj's private pageというサイトが作られていますね。
    はい。
  これは,参加人天羽さんのサイトだということでよろしいですか。
    が,中身を書いているという理解して結構です。
  この冨永研究室びじた一案内の,そのapj'sという部分に,トップページに居候するのは,ま,制作者の役得ってことでというふうに書いてあるんですけども,この文章だけ読むと,何か非常に,表現だけからですけども,参加人の天羽さんが,一方的に,ここにぽんと置いたというふうにも読めるんですが,そうではないですね。
    まあ,それは,一つの言葉のあやと御理解ください。
  ということは,このサイトを作ることについては了承をしているということですね。
    そうです,はい。十分に話し合った上で,了承しております。
  その中に水商売ウォッチングというのがあるんですが,この内容も,先生は逐一チェックしていたということでいいですね。
    はい,逐一,情報来ております。
  ちょっとここが分かりにくいところで,ちょっと確認したいんですが,天羽さんの陳述書では,その水商売ウォッチングというのは自分が運営責任者だというふうにおっしゃっておられるんです。
    そこは言葉の問題だと思いますけれども,責任者は飽くまで私です。で,中身をいろいろ書いているのは天羽さんであります。それは間違いありません。
  飽くまでも,責任者は,全体通して,先生だということですね。
    はい,私しか責任者に規則上なり得ないし,私が責任者だということで,大学は私に対して,その責任を問うてきてるわけですから,私が責任者です。
  例えば,こういう天羽さんのサイトを作ることについては,大学のホームページ運営委員会に届け出るとか,そういった必要はないんですか。
    大学の運営規則を読んでいただければ分かると思いますけれども,大学のホームページには,サイトには2通りのサイトがありまして,大学が直接管理するサイトと,研究室が管理するサイトがあります。ですから,研究室が管理するサイトについては研究室の責任者が責任を持つという,そういう運用規則になっていると思います。
  おっしゃっておられるのは,委員会のサイトと研究室のサイトの区別ということですか。
    そうです,はい。で,委員会のサイトというのが大学の公式サイトで,研究室のサイトは研究室が責任を持って大学にいさせてもらうということです。
  今回は,研究室サイトの問題なんですが。
    そうです,はい。
  大学が,今回の冨永先生のように,参加人天羽さんが作成するぺ一ジを作って'いるということまでは,通常は知らないということになりませんか。
    認識していると思います。共同研究者として,このぺ一ジに関しては,何度か,もうずうっと前から,ホームページ運営委員会で議論なされておりますので,十分認識していると思います。そのぺ一ジの中身まで認識していると思います。
  この冨永研究室びじた一案内という,このサイトを見たときに,参加人天羽という,そういう特定は,そこから見い出せるんでしょうか。
    このぺ一ジに関する責任は,下のほうに書いておりますけれども,天羽優子であるということが書いてあります。著作権は天羽優子にあるというに書いてあると思うので,認識できると思います。
  びじた一案内のところにありますか。
    あるはずですが。
  提出されたものにはちょっと見当たらなかったので確認したんですが、そういうことは明確にされてるということなんですね。
    はい。
  それから,甲10号証というのが出ておりまして,これは大学から発信者に対して求めたことに対する,発信者からの回答というのがあります。
    はい。
  この発信者からの回答というのは,作成されたのは冨永先生ですか。
    天羽さんと相談の上,私が最終的に書きました。
  2ぺ一ジのところに,掲示板管理者の顔写真とか,掲示板管理者の主張とか,掲示板管理者という言葉が出てくるんですが。
    そうですね,はい。
  これは,冨永先生のことじゃなくて。
    天羽さんのことです。
  あと1点ですが,今回の訴訟で当初原告が大学だけを被告にして訴えたということについて,参加人のお立場からは,おかしいんじゃないかと,こういうお考えなんですね。
    はい。
  それは,先ほど主尋問で答えられたとおりということですね。
    はい。
  その点に関して確認したいのは,原告の訴訟を提起する意図として,何か大学が余りこの書き込みについて細かい事実関係を知らないので,十分な防御ができないんじゃないかという一ことも言っておられたようなんですが,それはどういうことになりますか。
    基本的な私の考えとしましては,大学がすべてのサイトの責任を取るということは事実上不可能だろうと思います。毎日毎日書かれている事柄を逐一チェックして,それをやるということは,大学業務の資源の配分からいって,とても無駄なことだろうと思います。そこで,ある程度の,明らかに,だれが見てもひぼう中傷であるとか,だれが見ても公序良俗に反することは,即,それは大学が研究室サイトであろうとも停止する,その権限はあるかと思いますけれども,論争のあるもの,あるいは議論のあるものについては,でき得る限り,その研究室の責任者に責任を持たせるというのが,まず第一だと思います。で,そこでどうしても話がつかないと,どうしてもそこで紛糾してしまったときに,大学が大所高所の立場から介入するということにしておかないと,研究室から何も発信できなくなるわけです。少し困ったことがあったときに,すぐに,本人ではなくて大学を訴えるということは,まあ言ってみれば,子供のけんかに,親のところにすぐ行っちゃうというようなものですから,それは余り好ましいことではないというふうに考えております。
  あと1点だけですが,原告の主張として,参加人らは,大学という,まあ,名前を利用して,そういうところに書くことで,一般の人が大学の情報発信だということを誤解させてるというような主張をされてるんですが,この点で,冨永先生が,あるいは天羽さんがですね,大学というのをそういうことに利用してるという,そういった意図はございますか。
   それとは逆でありまして,大学の権威を借りて我々の意図を押し付けるということではなくて,我々は大学でいろいろ税金をもらってやっていたことを,できるだけ広く,世の中に知らせるという,そういう目的と,そういう意図の1つの試みとしてやっているわけで,大学の権威を借りてやるんではなくて,大学でやったことの,うまく言葉が出てきません,還元ですか,社会への多少なりとも還元,それは理学部としてできる事柄の,模索しているというのが今の気持ちです。工学部と違って,直接何かに,技術に役に立つようなことがすぐにできないものですから,それまでに得られた知識に基づいて,誤った情報が流れたことに対して指摘をすると,そういうことを試みとしてやっているというのが,このサイトの目的で,決して権威をかさに着て何かの主張をしているということではありません。

参加人天羽代理人
  水商売ウォッチングのサイトについてお聞きするんですけれども,ここで,どの会杜について次に書くかということは,冨永先生のほうから天羽さんに指示命令をすることはあるんでしょうか。
    大半は天羽さんが全部企画をしております。間違いありません。
  冨永先生のほうから,掲示板を置きなさいと,指示命令したことはありますか。
    掲示板を置きたいと言ったのは天羽さんで,私はそれを許可いたしました。
  そうしますと,要するに,天羽さんが発案したり,あるいは作成した中身を,冨永先生のほうで許容してるといいますか,問題がなければそのまま置くと。
    そうです。私もそのことに対して同意をする,天羽さんの考え方に非常に共感しておりますので,そこで,できる限り,それに対して共同でやっていこうという,そういう合意をしてやっております。
  先ほど,個別にホームページの内容を削除するという作業を冨永先生のほうでもできるんだということをおっしゃってましたね。
    完全にはできません。僕は,コンピュータについて,そんなに十分な知識がありませんので,簡単なことしかできません。例えば,掲示板で行われた個別の発言を削除するには,SQLを直接たたいて削除する必要があるんですが,そういったことは技術的に。そういう高級なことは,私にはできません。天羽さんにそれを指示するだけです。
  あと,1度この水商売ウォッチングに書かれた内容について,本件とは別に,ある企業からクレームが付いて,それでお茶の水のサーバーから,発信,公開を訂正したと,で,阪大のサーバーのほうに移したということがありましたね。
    はい。
  それは後にお茶大のほうに復帰したわけなんですが,その復帰する際に,apj's private pageの存在であるとか,あるいは水商売ウォッチングというぺ一ジの存在というのは,お茶大との間で問題になりましたか。
    なりませんでした。そのまま復帰するように,十分に話合いの上,元のまま復帰することができました。そのためにいろいろ書面は書きましたけれども,ある手続をして,全面的に復帰することに合意をしていただきました。
(以上扇澄美子)

甲第2号証を示す
  5枚目を示します。先ほど,コピーライトのことが話に出たんですけども,下のほうに,コピーライトが天羽さんであると書いてありますね。
    そうです,必ず書いて南ります。コピーライトというのは,書いた本人がコピーライトを持っているはずです。
  それから,今回,原告からは,大学のサイトで,こういった民間の企業がやっている事業について批判するのがけしからんと,まあ,国立ということだけではなくて,恐らく大学ということも言われてるわけなんですが,研究機関である大学のサイトだからこそ,研究を通じて得られた専門的知識,科学的知識を広く発信していく必要があると,あるいは議論をしていく必要があると。先ほど,冨永先生がおっしゃったのも,そういうことに関するんだと思うんですが,今申し上げたような考え方にっいてはどう思われますか。
    少し誤解を避けていただきたいんですが,企業を批判しているというのは少し言葉が足りなくて,そうではなくて,企業がやっていること,商売についてはどうぞおやりください,ただ,その説明について,科学的な説明がなされていることについて,間違っていることがあれば,その間違いについて,我々がそれに言及するということは,ある意味で,理学部に在学している人間の義務だというふうに考えております。ですから,企業の商売について批判をしているわけではなくて,そこの科学的な説明に対して,間違っているよということを言うのが主眼です。ですから,読みようによっては,企業を批判されてると読まれるような,そういう流れができる場合もあるかもしれませんが,原則的には,書かれている科学的な内容についてのみ言及するというのが,このサイトの精神であって,それはずうっと続けております。さすから,それは商売に対して妨害しようという意図は全くありません。
  その科学的な説明を,皆さんが,もし十分にできなくなる,あるいは,それを行ったことによって,ある場所で不利益が起こるかもしれないということで,それを差し控えるというようなことが,もし起きるとしたら,それは十分に学問として研究がやっていけるんでしょうか。
    もう一遍繰り返してください,聞き取れませんでした。どこがポイントだったのか,ちょっと聞き取れなかったんですが。
  つまり,今,要するに皆さんが十分に研究を続けていく上でも,例え,その結果が,研究した結果が,ある企業にとって不利益なことになるとしても,でも,正しい科学的な知識というのは研究する必要があるし,あるいはそれを広める必要があると。
    はい,それは発表するべきだというふうに考えております。それができなければ,いろんな学問は進まないし,むしろ我々の良心に従わないことになってしま.いますので,それが自分が正しいと確信すれば,それを何らかの形で発表するというのは義務だというふうに考えております。
甲第45号証を示す
  末尾のほうに付けられている別紙の5及び6なんですが,これは,冨永先生の陳述書で,別の機会に,別の訴訟で出されてますね。
    そうです,はい。
これは,その内容を確認した上で,冨永先生は署名なつ印されたんでしょうか。
    そうです。これ,1度書き直しております。私に錯誤がありましたので,後のほうでしょうか,この2番目のほうがより正確に書かれていると。
  陳述書No.2のほうがより正確だということですね。
    はい,そうです。記憶その他にっいで怪しげなところがありましたので。

原告代理人
  先ほどの御証言の中で1点だけ確認なんですが,冨永先生の意図としては,企業活動を妨害するつもりは全くないということですね。
    はい。
ただ,その表現内容に科学的な誤りがあった場合,それをただすのが目的だと,もう,それ,以上であると。
    それだけです。

裁判長
  お茶の水女子大のサーバーの中に,びじた一案内というサイトを開設するについては,サーバー使用料とか,そういった料金は取られるんですか。
    共同研究者ですので,料金は取っておりません。そのびじた一案内というのは,トップに出てるんですけど,その更に上に冨永研究室というサイトがあるんです。で,その中に入っておりますから,それは冨永研究室のサイトの中の一部なんですね。そこが,内容が,皆さん興味があるものですから,いきなりそこに行く方のほうが多いんですけれども,本来は,もう一段上に,冨永研究室というサイトがあります。
  いずれにせよ,サーバー使用料等の有償契約はないんですね。
    ありません。
  そうすると,運用規則に従って無償貸与を受けてるという形なんですね。
    そうです。
  それで,サイト内の記載が有害かどうかということが,大学側と冨永研究室の間で見解の相違があったと,考え方の相違があったというときに,研究室の側では,運用規則に従って大学が是正改善を言ってきたときに,それを阻止することはできるんですか。
    できません。
  できませんか。
    運用規則に沿って委員会のほうから言ってきたものに対しては,従わざるを得ません。それが,私がお茶の水女子大学の教員であることの意味です。
  14年4月にいったん公開を停止したときは,まだ運用規則というのはなかったんですか。
    そうです,ありませんでした。で,それを是正するために,運用規則ができたんです。
  冨永研究室のサイトの中に,天羽さんの個人ホームページを設けるについては,ここの間も別に有償の使用契約とかはないんですね。
    ありません。

(以上 山口淳子)

神戸地方裁判所
  裁判所速記官 扇 澄美子
  裁判所速記官 山口淳子

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