平成19年(ワ)第1493号 損害賠償請求事件
原告 吉岡英介
被告 国立大学お茶の水女子大学
参加人冨永靖德 外1名
陳述書
2008年8月27日
冨永靖徳
第1 私は、現在、お茶の水女子大学院人間文化創成科学研究科自然・応用科学系教授で、主に水素結合に関わる科学的な研究、特に、水に関する化学物理的な研究に携わっています。この分野では国内の第一人者であると自負しています。
磁気活水器については、マグローブの前身である、ダイポールのころから、公正取引委員会や東京都消費生活部などから質問を受けたことから知っていました。
磁気活水器については、従前から、水のクラスターが小さくなる等の誤った科学的な根拠や、科学的な根拠を欠く効能をうたって商品を販売しているのを見ており、このような間違いが出回っている状況について、苦々しく思っていました。
第2 私が、冨永研究室びじたー案内というウエブサイト(ホームページ)を開設しているのは、誤った非科学的な情報を流布する商売が目立つことに対して、科学者として正しい情報を発信する責務があると感じていることも一つにあります。
このウェブサイトは、私がインターネットなどに詳しくないため、天羽氏のの助けを受けて運営をしていますが、ウェブサイトの管理責任者は私です。天羽さんに管理委託はしていません。
天羽さんは、大学院修士課程における私の教え子ですが、各所で科学的根拠の誤りを指摘する活動を続けてきました。これに対して吉岡さんは「水は変わる」という本を自費出版して天羽さんの活動を批判していますが、実質は、科学的な反論は皆無で感情的に誹謗中傷しているだけにすぎません。なお、吉岡氏は「水は変わる」というウエブサイト(ホームページ)(http://www.minusionwater.com/)でも天羽さんの批判や、今回の訴訟について書いていますが、ここでも私や天羽さんに対する誹謗中傷を繰り返している状況で、他人に対して名誉毀損と主張する人のものとは思えない程です。
第3 今回の訴訟について、原告が私に対して訴えずに、お茶の水女子大学に対して提訴したことについては、非常に疑問を抱かざるを得ません。
マグローブの関係者は、平成19年3月9日付けの書面にて、吉岡英介の名前で私に対して書き込みの削除を要求していました。
私としては、上記のような事実経緯があったので、適切な対応をしようと考えて、すぐに文言を確認しましたが、「あっら〜〜 いよいよここじゃなくて、悪マニさんトコのネタになるのか……(遠い目)。京都大の学歴を自慢したってやることがマルチじゃなぁ……。まあ、あの自費出版批判本をみた限り、ダウンの人々が法律を遵守したまともな宣伝をすることなんざ期待できないわけだが。」というもので、内容は単なる感想や予想の類で名誉毀損になるものとは思えませんでした。
また、私は、この書き込みをした天羽さんに確認しました。天羽さんは、マグローブがマルチ商法を始めたということから、悪マニにのるであろうという予想を書いたものであるとの事でしたので、天羽さんの記載意図も私の感想と同様でした。私は、悪マニのことについても聞きましたが、マルチ商法なども広く取り上げているということでした。
このような事から、私は、悪マニに載ることを予想したということは名誉毀損にはならないと考えました。
また、私は、マグローブに関して調べましたが、野菜が長持ちするや洗剤の使用料が減る、あげくの果てには地球温暖化に役立つ等の効能らしきものが科学的根拠もなく記載されており、しかも、科学的根拠と繕うかのように、磁気を通した水についてマイナスイオンが多く検出されるや、界面活性が高くなるや、あげくの果てには水のクラスタが小さくなっている可能性があるなどの、水の研究者であれば明らかに不合理と分かるような内容が記載されていました。私としては、以上のようなことから、マグローブはダイポールの残党というべきもので、これこそ悪徳商法であると考えました。
そこで、私は、天羽さんに対して、悪マニ云々は問題ないと思うが、マルチ商法をしていないにも関わらず、マルチ商法をしているという記載をしていれば事実と異なる記載なので、削除することにすると伝え、マグローブ側には、マルチをしていないことの資料をいただけたら削除しますと伝えたのです。
すると、吉岡さんは、私ではなくお茶の水女子大学に対して訴訟を提起してきたのです。吉岡さんは、当然私が管理者であることを知っていますから、この訴訟は大学を巻き込むことで、私や天羽さんに嫌がらせをしているとしか思えません。そういうこともあり、私は、訴訟に参加することにしたのです。
第4 今回の訴訟参加後、マグローブを購入して、マグローブを通した水道水とただの水道水とで、いわゆる水のクラスタが変化するとか、表面張力に変化が見られるとかいう現象が無いことを確認しました。これは、彼らの主張が科学的に不合理であるかを明らかにするために、あえてやったにすぎません。
これに対して、吉岡さんは、客観的な根拠と称して、証拠を提出していますが、具体的な数値はおろか、どのような条件方法かも分からないような書類であり、科学者の目から見れば怪文書以上の意味はありません。
ある効果が有るかのような表示をして商品を販売する以上は、それなりの根拠や資料を有しておくべきですし、それができない場合は悪徳商法といわれてもやむを得ないと思います。吉岡さんは、ここに至って、クラスタが小さくなるとは一言も言っていないとか、油についても表面張力が下がっているとは言っていない等と言い出しており、支離滅裂としか思えない状況です。
なお、吉岡さんの陳述書は、水の重大な実験結果が発表されたとして、水には構造があり、磁気によって構造に変化を与える可能性があるということを述べていますが、その基になっている研究発表は、吉岡さんが、我田引水的に主張されているような内容とは、全く異なる次元のものです。もし、水の物理化学的な性質を変えるような構造変化がおこれば、必ず、ラマン分光や赤外分光でその変化を測定出来ますが、マグローブにはそのような変化が全くありませんでした。従って、磁気によって、水の物理化学的な性質を変えるような構造変化が起こっていないことは明らかです。吉岡さんが、科学的な研究結果を正しく理解せずに、科学を持ち出して空想のようなことを言い出すことには、科学者として憤りを感じます。
以上
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