独立当事者参加申立書

 pdf版はこちら。(148 KB)


独立当事者参加申立書

平成20年1月21日

神戸地方裁判所第6民事部合議係御中

参加人訴訟代理人弁護士壇 俊光

損害賠償等請求事件

当事者目録

〒■■■ー■■■■ 埼玉県■■■■■■■■■■■
 参加人 冨永靖徳

(送達先)
〒530-0047
 大阪市北区西天満6丁目7番4号大阪弁護士ビル5階
  北尻総合法律事務所
 電話(06)6364-0181
 FAX(06)6364-0185
 参加人訴訟代理人
 弁護士 壇俊光 

〒■■■ー■■■■ ■■■■■■■■■■■
 相手方(原告) 吉岡英介

〒112-8610東京都文京区大塚2-1-1
 相手方(被告) 国立大学法人お茶の水女子大学
 代表者学長 郷 通子

参加の趣旨

 上記原告、被告ら間の御庁平成19年(ワ)第1493号損害賠償等請求事件について、参加人冨永靖徳は当事者双方を相手方として訴訟に参加する。

参加の原因

第1 参加人冨永靖徳(以下「参加人冨永」という)は、被告国立大学法人お茶の水女子大学の教授であり、本件で問題となっている掲示板(以下「本件掲示板」という)が存在するホームページ「冨永研究室びじた一案内」の管理人である。
第2 原告は、本件掲示板について参加人天羽優子が投稿した投稿記事を削除せずに放置したことが、不法行為を構成するとして、被告に対して電子掲示板上に存在する文言の削除と損害賠償を170万円の支払を被告に求めている事案である(なお、「電子掲示板上の…文言を削除せよ」という請求については、文言は掲示板上に存在するものではなく、掲示板自体が、サーバ上に存在するものではなく、サーバ上のデータを元に、閲覧者のパソコンで構築するものであるから、このような記載方法は情報処理技術の正しい理解によるものではない)。
 しかし、本件掲示板は各投稿者が各自の意見を公開するものであり、それぞれの表現行為の積み重ねによって成り立っている。参加人冨永は掲示板を開設し、そのような表現の場を提供している。したがって、参加人冨永は、投稿者の表現の自由を援用する法的利益を有しており、参加人冨永は、各投稿者の表現行為である掲示板への書き込み記事を不当に抹消されることのない権利を有している。
 被告は、本件掲示板が開設されているサーバを設置管理しているものであるが、当該サーバに備わっている管理機能を用いて、参加人冨永の意に反して投稿記事の抹消を行った場合、それは投稿者である参加人天羽優子に対する表現の自由の侵害であるとともに、掲示板開設者である参加人冨永の権利を害するものである。
 また、被告に対して投稿を抹消しないことによる損害賠償が認められた場合、原告は直接の管理者たる参加人冨永に対する損害賠償請求も同様に可能となり、被告は参加人冨永に対する求償が可能となる。
 したがって、参加人冨永は、訴訟の結果によって権利が害される第三者である。
第3 そもそも、本件訴訟を提起するべきは本件掲示板の直接の管理人である参加人冨永であり、本件訴訟は、訴訟提起の相手を誤ったものと言わざるをえない。
第4 以上のように、参加人冨永には本件訴訟に当事者として参加する利益が存在するものであり、参加人冨永は民事訴訟法47条1項前段に基づき当事者参加の申出をする。
 なお、仮に独立当事者としての要件が欠缺していたとしても、本件では補助参加の利益が存在することが明らかであり、補助参加の申立として扱われたい。

請求の趣旨

1 別紙文書目録記載の文書を電磁的記録に返還した情報を削除しないことについて、参加人冨永靖徳の原告に対する金170万円の損害賠償債務が存在しないことを確認する。
2 被告は、原告に対して、参加人冨永靖徳が開設したホームページ「冨永研究室びじた一案内」における、別紙文書目録記載の文書を電磁的記録に変換した情報を削除してはならない。
3 参加による訴訟費用は原告・被告双方の負担とする。
との判決を求める。

請求の原因

第1 原告の主張に対する認否・反論
1 訴状請求原因に対して
(1) 「1 当事者」について
 被告が国立大学法人法によって設置された大学であることは認めるが、その余は不知又は否認。
 なお、被告は特定のドメインに関して特定電気通信役務提供者であるとの主張をしているが、この主張はドメインとサーバを混同している。ドメインとは特定のIPアドレスと関連づけられた文字列のことであり、特定のドメインとひも付いたサーバに特定電気通信役務提供者となっても、ドメイン自体にたいして特定電気通信役務提供者となることはない。なお、「.JP」で終わるドメインは、株式会社日本レジストリーサービスが管理しているものである。
(2)「2 問題の書き込みについて」
 本件掲示板が存在すること及び原告が主張する書き込みがなされたことは認めるが、その余は不知又は否認する。特に、当該書き込みに対する一般人の理解については争う。
(3) 「プロバイダー責任法(一般的には「プロバイダ責任制限法」である)に基づく通知」についていずれも不知又は争う。なお、原告の損害賠償請求の根拠法条は、おそらく民法709条と思われるが、明確にされていない。
(4) 「4 損害」、「5 適当な処分」、「6 まとめ」について
いずれも否認又は争う。
 原告は人格権を根拠とした差止めを求めているが、人格権自体の主張がなされておらず、失当である。

2 原告第1準備書面に対する認否・反論
(1) 「第1 概要」「第2 プロバイダ責任制限法の解釈」について
 縷々主張しているが、原告独自の法釈論であり、認否の対象ではない。
(2) 「第3本件書き込みAの不法行為性の補充」について
 いずれも、否認又は争う。なお、訴状別紙記載の文面を見る限り、原告の商売に対する率直な感想を述べたものに過ぎず、論評の域を超えるものではない。その余は原告独自の推論と言わざるを得ない。

3 原告第2準備書面に対する認否反論
 (1)「第1 概論」、「第2 請求の趣旨第2項についての補充説明」について
 いずれも、否認又は争う。民法723条や人格権に基づく削除請求が認められるとしても、そもそも、本件文言には違法性がないのでその前提を欠くものである。
(2)「第3 請求原因の追加」について
 参加人天羽優子が、参加人冨永の依頼を受けて、参加者冨永の開設しているホームページを設置していることは認めるが、法的な意味で掲示板の管理者はあくまでも参加人冨永である。
 その余は不知または争う。
 なお、履行補助者か否かは債務不履行における過失の適用範囲に関する議論であり、使用者責任の直接の根拠とはならない。その意味で、使用者責任に関する主張は失当である。
(3)「第4 本件書き込みAについての説明補充」について
 否認又は争う。そもそも、原告の主張は悪徳商法が何であるかについてすら明らかにしておらず、その趣旨は不明と言わざるを得ない。

第3 参加人冨永の主張
1 参加人天羽の主張の援用
 参加人冨永は参加人天羽の主張を援用する。
 悪徳商法マニアックスは、詐欺商法だけではなく、消費者問題や不正な事件など事案を広く扱っているサイトであり、同サイトに掲載されることが直ちに詐欺行為をおこなっているかのように一般人が誤信するというわけではない。したがって、社会的評価の下落自体が存在しない。
 次に、最高裁第三小法廷平成9年9月9日判決は「ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉殿損にあっては、その行為が公共の利害に関する事実に係り、かつその目的が専ら公益を図ることにあった場合に、前提としている事実の重要な部分について真実性の証明があったときには、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り、右行為は違法性を欠くものというべきであり、仮に前提としている事実につき真実性の証明がないときにも、行為者において右事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば、その故意又は過失は否定されると解するのが相当である。」としている。
 本件記載は、公共の事項に関する、公益目的でなされた記載である。基礎たる事実も、磁気を用いた水質改善する旨記載した家庭用品が公正取引委員会の排除命令を受けるなど消費者問題として敢り上げられていること、磁気による水質改善には効果が期待できないこと、原告の販売形態がいわゆるマルチ商法と言うべきものであること等の論評の基礎となっていることに考えると重要部分において真実又は真実と信じる相当な理由がある。
 表現内容も特段人格攻撃ではなく、通常用いられる表現から逸脱したものではない。
 したがって、本件の文面は、正当な論評の域を超えるものではなく、違法性はみとめられない。
2 マグローブの販売が「悪徳商法」と称するに値すること
 マグローブ株式会社のホームページに会長である原告が、商品「マグローブ」について、「家庭や産業界でマグローブを使うことで、洗剤や消臭剤が減らせたり、入浴の温度を少し下げても湯冷めしなくなったり、煮炊きの時間が短縮されたり、農産物の肥料や農薬が減らせたり、さまざまな面で省資源、省エネルギーが実現できます。」とマグローブの効能を説明している。
 しかし、参加人冨永は、水に関する研究を行っているものであり、同人の見識を前提にして、「マグローブ」の効能は、科学的根拠を欠くものであると理解している。
 特に丙2号証の「磁気活水にっけた小松菜がシャキッとなった」、「菊の花が磁気活水の方が長持ちした」、「犬が磁気活水をよく飲むと臭いが減って毛づやが良くなって元気になる」、「犬も猫も子供たちも、この水が大好きで、ジュースが欲しい等と言わなくなります。」、「美容院や理髪店ではシャンプーの使用量を減らせたり、髪の仕上がりがふっくらお風呂が気持ちよい」等の文言は明らかに不当な表示である。
 このことからして、「マグローブ」の販売についてはまさに「悪徳商法」に値するものであり、参加人冨永が削除の必要性がないと考えるのも当然である。原告は、参加人冨永に対して削除要求の通知すらしていない。

第5 求釈明
1 原告は、「マグローブ」の販売が「悪徳商法」ではないことを前提に主張をしていると思われる。
 そこで、同商品について「ご挨拶」というぺ一ジに記載の「マグローブの水は、生活面や健康面、産業面でさまざまな良い結果をもたらしてくれます。」について記載している効能の具体的内容を明らかにされたい。
2 1について、それを裏付ける合理的な根拠を明らかにされたい。効能をうたう商品を販売している事業者であれば当然景品類及び不当表示防止法4条2項所定の合理的な根拠を示す資料を有しているはずである。
3 「マグローブ」については、現在特許出願中と同社のホームページに記載されているが、マグローブ又は吉岡英介を出願者とする特許出願は見あたらなかった。マグローブについては、あたかも特許出願中の優良な商品であるかのごとく誤信させて商品を販売している可能性がある。そこで、特許の出願日及び出願番号を明らかにされたい。

以上

証拠方法

追って、提出する

添付書類

1 訴訟委任状 1通

文書目録

1 原文書を電磁的記録に変換した情報が閲覧可能な状態となっているURL(ユニフォーム・リソース・ロケータ)http://atomll,phys.ocha,acjp/bbs01/msg.php?mid=23211&fbrm=tree
2 記載内容
>マルチ方式で4年後に上場を目指し
>いまは会員と出資者を募集してるそう。
あっら〜〜
いよいよここじゃなくて、悪マニさんトコのネタになるのか……(遠い目)。

京都大の学歴を自慢したってやることがマルチじゃなあ……。まあ、あの自費出版批判本をみた限り、ダウンの人々が法律を遵守したまともな宣伝をすることなんざ期待できないわけだが。

戻る