準備書面1

平成19年(ワ)第1493号損害賠償請求事件
平成19年(ワ)第2355号独立当事者参加の申出事件

原告 吉岡英介
被告 国立大学法人お茶の水女子大学
参加申立人 天羽優子

準備書面1

平成19年10月31日

神戸地方裁判所第6部民事部合議係御中

参加人訴訟代理人
弁護士 弘中惇一郎
同 弁護士 弘中絵里

第1 原告の参加申出に対する意見に対する反論
1 参加申立人の立場について原告は,参加申立人と被告の間には何ら契約が認められず,本件書き込みを削除しても被告は債務不履行責任を負わないと主張する。
 しかし,参加申立人は1999年2月から訴外冨永を責任者とする研究室ぺ一ジ内に,「apj's private page」と題する私的ぺ一ジを有しており,以下述べるように,遅くとも2003年7月23日には当該ぺ一ジの管理・運営を参加申立人に委ねるという黙示の合意が被告と参加申立人の間で成立したものである。
 すなわち,参加申立人が上記私的ぺ一ジを1999年2月から公開していたところ,2001年10月に訴外株式会杜プロホームアドバンスからクレームがつき,被告と訴外冨永の話し合いの結果,2002年4月末に「冨永研究室非公式案内」(「冨永研究室びじた』案内」の旧名称)の公開を一端停止することになった。この間,コンテンツの全ては大阪大学理学部物理学科の訴外菊池誠教授(現サイバーメディアセンター教授)の提供するサーバに移転された。
 その後,被告は,2003年4月に新しいウェブ運用規則及びマニュアルを定めた(丙1)。その新しい規則に従って,2003年5月21日に訴外冨永は阪大に移転していた全てのコンテンツについて復帰申請を出したところ,2003年7月23日付けで復帰が被告に認められたので,全てのコンテンツについて現在まで公開を続けるに至っている。過去の経緯からしても,復帰申請をしたコンテンツに参加申立人の私的ぺ一ジが含まれていることは,被告も承知していたはずであるが,これについて被告から何らかの異議や注意はなされなかった。
 このように,被告が2003年7月23日付で「apj's private page」も含めた全てのコンテンツについて,訴外冨永に明示的に管理運営をゆだねたということは,すなわち,その中に含まれる上記私的ぺ一ジを参加申立人が管理,運営することについて,被告・参加申立人問で黙示の合意が成立したことを意味するのである。
2 参加申立人の法律上の地位及び当事者として参加する必要性について
 確かに本件書き込みの削除が認容されるのは,本件書き込みに不法行為が認められた場合であり,その場合,被告が書き込みを削除しても,参加申立人との関係で免責される。
 しかし,仮に本判決で削除が認められた場合,その効果は,自らが運営・管理する掲示板内の書き込みが削除されるという形で,参加申立人に直接的に及ぽされるのである。本件判決の影響を第一に直接受けるのは,被告ではなく参加申立人なのである。民事訴訟法は,自己責任の前提として,判決効を受ける対立当事者の手続き上の主体的な地位の確立を極めて重視しているが,このように直接的に判決の効力を受ける以上,当事者主義として主体的に訴訟に参加し,自らの権利主張及び防御を行う地位が当然に保障されるべきである。
 その上,本件書き込みの書き手は参加申立人自身であり,書き込みの趣旨及びその根拠について一番把握しているのは参加申立人である。しかも参加申立人と原告は,甲12ないし甲15にあるように,原告が販売する磁気水製造器について,直接,多数回に渡って議論を交わしていたのであり,本件書き込みはこうしたやりとりの経緯をふまえてなされたものである。また,本件掲示板全体の設営の趣旨や運営方針について把握しているのも参加申立人である。
 他方,被告は,本件掲示板の内容や原告と参加申立人のやり取りについて,全く関知していないものであり,被告に本件書き込みの趣旨やその根拠について主張及び防御を尽くさせるのは,被告の立場上,本来不可能を要求するものと言わざるを得ない。つまり,被告が実質的には本件紛争の当事者とは言えず,背景事情についても疎いことから,結果的に詐外的訴訟追行を行わざるを得ないような構造になっているのである。
 また,原告は,被告が攻撃防御を尽くせないことを知りながら,これを利用して自己に有利な結果を導くために,被告のみを相手に訴訟提起したと考えられる。
 すなわち,甲12の表紙に「天羽優子氏の<水商売ウォッチング>」と明記してあるように,原告は,本件掲示板の設置されている「水商売ウォッチング」というWebぺ一ジの運営・管理者が参加申立人であることを,熟知していた。また,本件書き込みがapjというハンドルネームで行われていることから,本件書き込みが参加申立人によるものであることも十分認識していた。しかるに,あえて従前の紛争の当事者である参加申立人を避け,第三者的立場である被告のみを相手に訴訟提起したのである。
 このように,本件の場合,実質的には当事者とは言い難い被告との問で攻撃防御がなされることによって,削除の是非について誤った判断がなされるおそれがあるので,参加申立人が当事者として本件訴訟に参加する必要があるのである。
第2 甲号証の作成者について
 提出された甲号証のうち,甲第3号証ないし同第5号証の作成者は,疎外冨永ではない。当該掲示板の管理・運営者という意味であれば参加申立人とすべきであるし,個々の書き手という意味では不祥(ただしapj名での書き込みは参加申立人)とすべきである。
甲第12号証ないし同第15号証の作成者は参加申立人である。
甲第16号証ないし同第18号証及び同第20号証ないし同第24号証も,作成者は不祥とすべきであって,疎外冨永ではない。

以上

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