陳述書
平成20年8月22日
神戸地方裁判所 第6部民事部 合議係 御中
天羽 優子
第1 経歴・専門分野
1 経歴
【学歴】
1989年3月 千葉大学理学部物理学科卒業
1991年3月 お茶の水女子大学大学院理学研究科物理学専攻修了
1995年3月 東京大学大学院医学系研究科第一基礎医学専攻修了 同時に博士(医学)の学位取得(博医第989号)
2000年9月 論博で博士(理学)の学位を取得(乙第128号 博士(理学) お茶の水女子大学)
【職歴】
1993年4月~1995年3月 日本学術振興会特別研究員(新プロ)
1995年4月~2001年3月 東京大学先端科学技術研究センター 協力研究員
1996年4月~1998年3月 科学技術庁放射線医学総合研究所 客員協力研究員
1998年4月~2000年9月 東京都立航空工業高等専門学校 非常勤講師
2000年4月~2004年3月 放送大学非常勤講師
2000年10月~2003年3月 大阪大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー 講師(中核的研究機関研究員)
2003年4月~2003年9月 広島大学大学院理学研究科化学専攻 分子反応化学講座 助手
2003年10月~2007年3月 山形大学助教授理学部(物質生命化学)
2007年4月~ 山形大学准教授理学部(物質生命化学)(現在に至る)
2 専門分野
【研究】
実験物理学、化学物理。実験の対象は、水を含む液体一般。TDR法による高周波誘電緩和の測定、ラマン散乱、赤外分光を手がけている。
【教育】
学部の講義で「分光物理化学」を担当。内容は、水素原子の量子力学及び分子の回転、振動スペクトル等に関する物理化学。
共通教育では「科学リテラシー」を担当。内容は、水や氷について、高校の化学から復習すると同時に、科学を装った怪しい言説や、科学の分野で起きた間違いの歴史についても講義するというものである。
【所属学会】
日本物理学会、溶液化学研究会、ジャパンスケプティクス(※超常現象や非科学について懐疑的な立場で考える団体)
第2 「水商売ウォッチング」をお茶の水大サーバに置くことになった経緯
「水商売ウォッチング」の公開は、1999年2月から始めた。この当時、私は、都立航空工業高棟専門学校の非常勤講師等をしながら、お茶の水女子大学の冨永研究室で、水や水溶液の低振動数ラマン散乱の実験をしていた。
1998年の秋頃に、博士課程を過ごした東大の研究室の同窓会があった。そこで、私は、酒造会社に勤めていた後輩から「上司から、クラスターの小さい水で酒をつくると良いという話は本当かと訊かれた」といった話をきいた。「NMRで水クラスターの評価ができ、クラスターの小さい水が美味しくて健康によい」という俗説があることは以前から知っていたが、学術的には既に否定されているはずであった。否定されたはずの話がまだ出回っているということがわかったので、私は、水クラスターに関する俗説が間違いであることについて、きちんと情報発信しないといけないと考えた。
この頃、たまたま、冨永研究室がPCを1台入手したが、研究室では他に使う人が居ない状態だった。そこで、私は、冨永教授に第2で後述するような趣旨で「水に関する俗説を正すための情報発信のページを作りたい」と相談した。理学部なりの社会貢献の1つの試みという意義を説明したところ、冨永教授もこれに賛同してくれた。当時、お茶の水大がサーバを有しており、同大学に属する教員等は、各自、そのサーバ内にWebページを持つことが許されていた。そこで、冨永教授の了解を得て冨永教授の研究室ページ(当時の名称は「冨永研究室非公式案内」)を立ち上げることにし、冨永教授のこれまでの発表論文、研究テーマ、冨永研究室の設備等を紹介するほか、当該ページの一部に、「apj's private page」として「水商売ウォッチング」など、私が個人的に運営するコンテンツを盛り込むこととなった。冨永教授の研究室ページのコンテンツは、全て私が書き、レイアウトし、html化する作業を行ったものであり、ページの文中に出てくる「筆者」「私」というのは、私のことを指している。ただ、このうちの「冨永研究室の紹介」については冨永教授から情報提供を受け、冨永教授の指示のもと、私が作成作業を行ったものである。他方、プライベートページである「apj's private page」については、随時、冨永教授に目は通してもらっているものの、その内容、運営は基本的に全て私に任されている。このような管理・運営のスタイルは、立ち上げ当初から現在まで同じである。
第3 「水商売ウォッチング」を書いた目的
最初の目的は、「NMRで水クラスターの大小の評価ができる」「クラスターの小さい水は美味しくて健康によい」という俗説が科学として誤りであることをきちんと説明し、世間に誤解が広まっているのを正すことだった。
どの程度誤解が広まっているかを調べるために、ネット上の情報を検索してみたら、水関連製品の多くがクラスターに言及した宣伝を行っていることがわかった。同時に、クラスターの話以外でも、物理現象として有り得ない内容の宣伝が多数行われていることもわかった。一方、科学として正しい情報を提供しているウェブサイトは見当たらなかった。さらに、水関係の書籍をざっと探してみたら、一般向けの本で非科学言説の入っていない本を探すのが難しいという状態であった。
そこで、まずは「水のクラスター 伝搬する誤解」という文書を書いて公開した。さらにその後、他の非科学言説についても取り上げて、科学的に正しい考え方が本当はどうであるかを示すために「水商売ウォッチング」というコンテンツを作って議論することにした。
第4 「水商売ウォッチング」の運営責任者だったこと
サイトを作り始めた当時は、お茶の水女子大学内にはウェブ運用規則自体が存在しなかった。「水商売ウォッチング」の内容、題材は私に委ねられていたが、あくまでも冨永教授のページ内にあるページなので、冨永教授は、私が書いたものを読んで、まずいところがあれば指摘するという、監修者としての役割をしていた。表現や内容については、冨永教授からの指摘を受けて、表現や内容を訂正することもあった。
2002年4月末一時期、別の企業からのクレームで、冨永教授とも相談の上、当時の「冨永研究室非公式案内」(現在の「冨永研究室びじたー案内」全部に相当する)の内容全てを大阪大学に移転させたことがあった。その期間の監修役は、大阪大学理学部物理学科の菊地誠教授(現・大阪大学サイバーメディアセンター教授)であった。
その後、お茶の水大学のウェブ運用規則が整備されたので(乙第1号証、丙第1号証)、2003年7月23日、コンテンツを再びお茶の水大学のサーバーに戻した。その際、Webページの名称を「冨永研究室びじたー案内」に改め、その後は、同規則に則って、冨永教授が当該ページ全体の責任者であることをトップページ内に明示した。また、このうちの「apj's private page」と分類した「水商売ウォッチング」等のいくつかのコンテンツについては、私が運営責任者であり、そこに記載された内容についての第1次的責任者であることを明示した。私が設置した掲示板「ゲストブック兼掲示板」(本件の書き込みがあった掲示板。当初はサイト全体の掲示板として設置し、水関連の話題が多かったので水商売ウォッチングからも直接リンクした。以下「本件掲示板」という)についても、私がその管理者として、その運営上のガイドラインを定め、公開すると共に、ガイドラインに違反した、あるいは違法と思われる投稿については削除するなどの対応を行っていた。
第5 磁気活水器について
「水商売ウォッチング」では、磁気活水器について、他の会社の製品もいくつか取り上げている。変わった宣伝が目に付いたり、サーチエンジンの上位にきたりしているものを選んで取り上げた。
たとえば、「波動エネルギーを与えた水はきれいな六角形の写真が撮れます」といった言説に対しては、この文脈での「波動」はオカルト用語であって科学とは全く関係が無いことを指摘した。「活性水素が発生する」といった宣伝については、活性水素の物質としての正体が不明のままであり、実在することを直接示した実験も無い、といったことを書いた。宣伝に頻出する「水を活性化」というフレーズについては、活性化の物理化学的プロセスが一切不明であり、人間にとって都合のよい変化を活性化と呼んでいるだけで、科学的実体が不明であることを指摘した。「遠赤外線の効果がある」との主張については、全ての物質は温度に応じて赤外線も遠赤外線も出しているので、室温程度の物体同士の間で放射される遠赤外線の効果を考えることには意味がないと述べた。
なお、水は反磁性体であり、鉄釘等とは逆の性質を持っていて、強い磁石からはとても弱い力で遠ざかろうとする性質があり、磁場の影響を受けたことが後に残ることは無いということを、一貫して述べてきた。
磁気活水器「ダイポール」については、2002年4月10日付けで取り上げた。「電子の入った水はマイナスイオン水となり」「電子が水に入ります」「電子の入った還元力のある水」といった表現を中心に、科学としては意味の無い言説であることを説明した。
科学に携わる者から見れば、これらの宣伝文句は、「電子」「イオン」「還元」のような、科学で使われる用語を羅列しているに過ぎず、書かれている内容に何ら意味がない(すなわち、当該事実が人にとって優れた効果があることと結びつくものではない)ことは直ちにわかる。しかし、世の中には、科学に疎い人もたくさん居り、かつ、使われている用語は高校理科で出てくるので、理科の知識があやふやなままでこのような宣伝を見た場合、科学的根拠があるかのように受け止めることになるに違いない。すると、実際には科学的に意味の無い宣伝を見た消費者が、科学的根拠のある優れた製品であると誤解する可能性が高い。
さらに、このような宣伝が蔓延すると、正しい科学の内容とは違ったものが世の中に広まることになる。そちらが定着してしまうと、事業者が間違った知識に基づいて製品開発をしたり、行政側がインチキな製品を作っている会社に補助金を出したりといった、社会的損失が発生する機会を増やすことになる。
科学について誤解を広めるような宣伝を放置しておくと、何一ついいことが無いのである。
ただ単に「美味しい水」や「霊験あらたかな水」という宣伝が行われたのであれば、これを科学と誤解する人は居ないはずなので、科学的観点から批判する理由は全く無い。科学を騙る行為が問題なのである。
第6 吉岡氏との関わり
吉岡氏が、「水商売ウォッチング」のatom11サーバのコンテンツに最初に登場したのは、2002年7月4日の本件掲示板投稿[434]である(丙第20号証)。「市民のための環境学ガイド」というサイトで、運営者の安井至氏が、当時流行していたマイナスイオンをに対する科学的見地からの批判が公開した。これに対し吉岡氏は、マイナスイオン擁護派として、安井氏の主張に反論し、その内容が「市民のための環境学ガイド」で公開された(丙第21号証の1、2)。ところが、吉岡氏の主張が客観的に見て科学的とはいえないものであったため、安井氏のページを読んだ人が、本件掲示板に吉岡氏の反論を話題として投稿した。これをきっかけとしてマイナスイオンに批判的な議論が続いた後、2002年の9月に、この話題は終わった。
それから1年2ヶ月後の、2003年11月に、吉岡氏が私にメールを送ってきて、2003年12月25日まで、メールのやりとりが続いた。この時のやりとりでは、吉岡氏は、磁気活水器を擁護しただけで、具体的にどの製品のことなのかは、メールで訊いても答えなかった。私の主観では、吉岡氏の扱っている商品は「不明」のままだった。メールのやり取りをウェブサイトで公開したので(丙第22号証の1,2、3、4)、同時に掲示板でも議論があった。
今回、この陳述書を書くために、改めて掲示板の過去ログを読み返したところ、[6285]
の「吉岡氏はHECの人間でもあるようです。(HRDが開発HECが販売のようで)」という投稿や、[6549]の「HRDでは無理なのでしょうね。」といった投稿が2003年の11月にあった(丙第23号証)。
もし、2003年11月頃、この投稿の内容を信じていたら、私は、以後、吉岡氏とHRDを結びつけて考えたと思う。しかし、ネットでは、伝聞やデマが投稿されることがしばしばあり、思いこみや決めつけに基づいて何かを書いて公開するのはトラブルの元である。吉岡氏と直接メールをやりとりしていた時に、磁気活水器のうちどの商品を扱っているのかについて尋ねたが、吉岡氏は一切答えなかった。私は、吉岡氏がHRDと関係があるというのはただの不確かな噂に過ぎないと判断した。とても、この段階では「吉岡氏はHRDのマルチ商法に加わっていて……」などと書くだけの確信も証拠も無かった。このため、これらの投稿があったことを私は早々に忘れてしまった。私は他の発言でも、吉岡氏がHRDと関係しているということを、全く前提にしなかった。私が掲示板でも積極的に書かなかったので、他の人達も、ことさらに吉岡氏とHRDを結びつけようとはしなかった。その後の掲示板での議論は、吉岡氏の「アトピーが治る」という主張や、マイナスイオン水・磁気水擁護の主張について、科学的にどうかという見方で行われることになった。吉岡氏の「アトピー解決篇」というウェブサイトも話題になった。
2004年は、3月頃まで吉岡氏のウェブサイトについて話題になり、次に吉岡氏の主張が話題になったのは、2005年の5月であった。
このように、吉岡氏のことは、時々掲示板に登場するという程度であった。
2005年の6月にも、[16003]で「あの吉岡氏の販売している、HRD社のビッグポールのようですね。」という発言があったが、mj23と名乗る発言者は以前にも同様の投稿をしていたので、この時も信頼性の低い情報として取り扱った(丙第24号証)。他の参加者も、吉岡氏とHRDを結びつけるということには、ほとんど注目していなかった。
2005年の秋に、突然、吉岡氏は、お茶の水女子大学への要望書という文書をお茶の水大学に提出した。文書が来たことを、私は、冨永教授から知らされた。冨永教授は「ひどい内容だ」と言っていたと思う。「水商売ウォッチングをお茶の水大から排除してください、という大変に長い文書だ」という説明も、冨永教授からされたと記憶している。しかしこの時、文書そのものを読んだかどうかまでは記憶にない。冨永教授がコピーを持っていたような気もするが、その後で届いた製本版「水は変わる」の件があって、記憶がはっきりしない。
2005年には、お茶の水大学は、プロバイダ責任制限法に沿ったウェブ運用規則を整備していた。ウェブ内容の削除は、権利を侵害された者が表現を特定して要求することになっていた。「単にウェブ制作者に対する非難を書き連ねただけでは、具体性を欠くため権利侵害の申し出とは言えないので、大学としては何もしない(できない)ということになる」というのが冨永教授の説明だった。
とにかく、なぜそんな文書が今頃になって吉岡氏から届いたのか、その時は、びっくりしたし不思議だった。吉岡氏のことは、時々掲示板では話題になっていたが、思い出したように誰かが投稿するだけで、私と吉岡氏とのメールのやりとりは2年ほど全く無かった。
2005年の10月か11月頃に、吉岡氏が「水は変わる」の内容をウェブで公開したことがきっかけとなって、掲示板の常連の人達がそれを見て、しばしばコメントするようになった。私が、「第三文明」の取材に応じた時に撮影された写真が、勝手に公開されていることも、この頃知った。
阪大の菊池教授のblog(kikulog)でも、2005年11月15日に「「水商売ウォッチング」批判本(ただし、自費出版)」という記事が書かれて、さらにいろんな人が、吉岡氏の「水は変わる」に注目して話のネタにしたり批判したりするようになった。私も、2005年12月23日に、kikulogでコメントを書いた。
私が、吉岡氏がダイポールを売っているとはっきり認識したのは、2005年の12月末であった。確か、誰かからメールで、吉岡氏がダイポールの説明会で講師をしているという証拠があることを知らされたのだったと思う。証拠とは、HRDが作っていた講習会の日程表で、講師の一人として吉岡氏の名前があった。私はこのことを、2005年12月26日に、発言番号[19112]として掲示板に書き込んだ(丙第24号証)。HRDとの関わりが根も葉もない噂ではなく、証拠があったということが印象深かったので書いた。公取の、HRDに対する排除命令が12月25日であったので、書き込みはその翌日である。
吉岡氏の関わっていたビジネスが公取の排除命令を受けたことと、吉岡氏がウェブで非難する相手を私やお茶の水大だけではなく阪大の菊池誠教授や学習院大学の田崎教授にまで広げたので、掲示板でもいろんな人が話題にするようになった。
それでも、2005年の秋頃から2006年の1月で、吉岡氏の話題は掲示板では一旦跡絶えた。
2006年の11月になって、吉岡氏のサイトを見た人が、京都女子大学の小波教授を非難するメールを京都女子大学に送ったらしい。小波さんからの投稿[22776]でそのことがわかった。
2007年2月に、マグローブのウェブサイトができていて、商品名に○をはさんでそのままでは検索できないようになっていることを見つけたdeRさんが[23303]を投稿した(丙第25号証)。その後、マグローブの宣伝が、連続して掲示板に投稿された。
2007年6月に、吉岡氏が、産総研の柘植さんを非難する内容をウェブで公開し、そのことが本件掲示板でも話題になった。
吉岡氏が、本件掲示板で話題になった最初のきっかけは、「市民のための環境学ガイド」に、マイナスイオンを擁護するメールを送ったものが公開され、その内容が科学的に妥当ではなかったことによる。しかし、この時の話題は2ヶ月くらいで終わってしまい、その後は話題になっていなかった。「水商売ウォッチング」のテーマは、水処理であって、空気中のマイナスイオンではなかったので、本筋の話題でもなかった。マイナスイオンブーム自体が峠を越えつつあった。もし、吉岡氏が私にメールを送ったりしなかったら、その後、掲示板で吉岡氏のことが話題になったとは思えない。
吉岡氏が磁気活水器を擁護するメールを私に送ってきた時には、マイナスイオンの話が終わってから1年以上経っていた。メールを受け取った時、私は、吉岡氏が安井氏のサイトに登場したマイナスイオン擁護派の人だということをすぐに思い出せなかった。メールのやりとりを掲示板で話題にして、他の人に指摘されて思い出したのだと記憶している。
メールのやりとりがきっかけとなって、その後も時々は吉岡氏のことが掲示板で話題になったが、頻度は高くなかったし、間もあいていた。メールのやりとりの時に、吉岡氏は自身の主張を存分に述べたはずで、そのやりとりをそのまま公開したので、ウェブを見た人にも吉岡氏の主張が十分に分かる状態だと認識していた。吉岡氏に対して不公平な扱いをしたつもりもなかった。
だから、メールのやりとりから2年も経って、お茶の水大に要望書が送られてきたのを知った時には、驚いたし奇妙な感じがした。
第7 今回の本件掲示板の内容、流れ
吉岡氏のことが本件掲示板で話題になったのは、吉岡氏がマイナスイオンや磁気水の効果を十分な根拠を示さずに主張したり、アトピーなどの病気が治ると客観的証拠を示さずに主張したたりしたことに対して、批判が加えられることになったからである。つまり、吉岡氏の主張のうち、科学的に妥当でないと思われる部分についての議論が中心となっていた。
話題にしたのは、本件掲示板に書き込んでいる第三者であった。私がどこの誰か見当がついている人はそのうちの2、3人で、それ以外は誰だかわからない。私も吉岡氏について話題にすることがあった。
今回、訴訟の原因となった書き込みに至る流れは、次のようなものである。
まず、アトピーが治ったなどというふれこみで宣伝されたスーパーイオンクリーンという商品を危うく買うところだった人が、その顛末を刑本件掲示板に投稿した。これがきっかけとなって、宣伝の非科学性についての議論が始まった。この議論の途中で、アトピーつながりで、
[23200] 健康と環境の・・クラブの・・氏は
ID = dbe3a39fc40a1b44169be96fcbf3d272 ( 844b8d868c86199af6c3ab7bdc867c95 )
WOXX のコメント: 2007-02-10 22:30 :
最近マグローブと言う磁気活水器を開発し
新会社を設立したようです。
[23205] Y氏新着情報という情報が追加された。私は、「水は変わる」やメールでのやりとりから、吉岡氏が、磁場で水が変わると信じ込んでいるのだと思った。また、吉岡氏が、過去に、HRDのマルチ商法に加わっていたことも思い出した。そこで、
ID = f8692ea4384afe73229d64a2ac5fc05b ( abf03589ae4951e099a210c8adb43c35 )
XOO のコメント: 2007-02-12 17:50 :
明日(13日)神戸産業振興センターで
新会社と新製品の説明会があるようです。
[23207] 説明会かぁ……のように書いた。今度もまたマルチなのどうかに興味があったからである。そうしたら、
ID = 3a160cfab7c419441104990d50c1eceb ( ce69f8c479f6238e21774b2ce57e78be )
apj のコメント: 2007-02-12 18:00 :
磁場で水が変わると素で信じてるっぽいですね。
ところで、説明会って?商売の方式は普通に小売りに卸す方式なのか、マルチなのか、どっちでいくんでしょうかね。
[23208] 驚きですが・・・のような投稿があった。それで、
ID = 327d73fb8d6646b8ead69f8c7baf6531 ( 57a9adc4684154dedcac8a43bb6fad24 )
XOO のコメント: 2007-02-12 23:02 :
マルチ方式で4年後に上場を目指し
いまは会員と出資者を募集してるそう。
ajpさんも出資したら?(;;)
[23211] いよいよ……
ID = 189a44eadbd01348f39644599fb62f65 ( 45d1b3cab8e43ed6553fd76cb4723fe9 )
apj のコメント: 2007-02-13 12:36 :
>マルチ方式で4年後に上場を目指し
>いまは会員と出資者を募集してるそう。
あっら~~
いよいよここじゃなくて、悪マニさんトコのネタになるのか……(遠い目)。
京都大の学歴を自慢したってやることがマルチじゃなぁ……。まあ、あの自費出版批判本をみた限り、ダウンの人々が法律を遵守したまともな宣伝をすることなんざ期待できないわけだが。
のように書き込んだ。
吉岡氏が大学や大学の名前にこだわっていたのは、「市民のための環境学ガイド」でマイナスイオン擁護派として登場したときからであった。吉岡氏が「自分は京都大の工学部の修士課程を出ているから自分の主張は科学的である」との内容をセミナーで発言しているということが、見ず知らずの人からメールで私に送られてきたりもしていた。私に対するメールの中でも、情報発信が大学から行われていることを問題にしていた。
世間一般では、マルチ商法は売り込みを受けた側やその家族からは嫌われていることが多く、mixiで、HRDに対する怨嗟が投稿されていることも見たことがあった。
自費出版本の「水は変わる」には、HRDの排除命令で問題になった内容が含まれていると同時に、私に対する中傷も書かれていた。「悪マニさんとこ」というのは、「悪徳商法マニアックス」の会議室のつもりであった。実際、過去にHRDの製品が「悪徳商法マニアックス」で話題になり、私もコメントしたことがあった(丙第8号証)。
本件掲示板では、これまでに、吉岡氏の主張に対して科学的ではないという観点からの批判が行われていた。もともと本件掲示板は、科学やニセ科学の議論の割合が多く、マルチ商法そのものについての話題が出ることは少なかったのである。一方、悪徳商法マニアックスでは、マルチ商法の話題は商品の種類を問わず頻出していた(丙第7号証)。
吉岡氏がこれから新たなマルチ商法を始めてビジネスを拡大するのであれば、今後は本件掲示板で話題になるよりも、むしろ悪徳商法マニアックスの会議室で話題になるだろうと予想した。そこで、「悪マニさんトコのネタになるのか」と記載して、その予想を意見として述べた。
また、マルチの仲間は、吉岡氏を信じてメンバーになるのだろうから、吉岡氏の自費出版本著書である「水は変わる」の内容にも賛同するはずである。この「水が変わる」では、一貫して、商品の販売を行うときに、商品効果を引き起こす理屈すなわち科学的説明は不十分ないし間違っていても仕方がない、理屈や科学的説明は重要ではないと述べられていた(甲第25号証の2,3,13頁)。また、HRDの排除命令で問題にされたのと同じ内容(磁気活水器に関する説明)が含まれていた。そして、マルチのメンバーが「水は変わる」の内容に則って磁気活水器の宣伝をしたならば、既にかつて排除命令に引っ掛かったときと同様に、不正確な、あるいは根拠を欠く「科学を騙った説明」がなされるに違いないと考えた。また、「水は変わる」には、私に対する中傷も書かれていた。そこで、販売の際に私が中傷されることもあるだろうとも考えた。こうした事実を踏まえた私の意見として、「あの自費出版批判本をみた限り、ダウンの人々が法律を遵守したまともな宣伝をすることなんざ期待できないわけだが」と記載した。
さらに、世間一般では、マルチ商法は売り込みを受けた側やその家族からは嫌われていることが多く、mixiで、HRDに対する怨嗟が投稿されていることも見たことがあった。
このように、私の考えや見聞きしたことに基づいて、吉岡氏がマルチ商法で磁気活水器を売るビジネスを始めたことについて、私のが意見・感想を述べたものが、本件訴訟の原因となった[23211]の書き込みである。
第8 なぜ独立当事者参加をしようと思ったのか
お茶の水大学が名誉毀損で訴えられ、問題となった表現が、apjのハンドル名で私が運営管理する本件掲示板に投稿されたものであると知った時、訴訟の当事者になるべきは大学ではなくて私であると思った。名誉毀損訴訟では、名誉を毀損する表現を行った者を提訴するのが当たり前だと認識していた。ただ、個人を相手に損害賠償請求して判決を得たとしても、賠償金を得ることが難しい場合があるために、組織も同時に訴えるということはあるだろうと思っていたので、私を訴えたついでにお茶の水大も訴えるのなら理解できる。しかし、なぜ私が被告から外されたのかがさっぱりわからなかった。特に吉岡氏は、私の設置した本件掲示板をしばしば見ており、その内容をウェブサイトで取り上げている。吉岡氏は、apjの名前で書き込まれたものが天羽によるものだと知っていたはずである。
本件訴訟で問題となった書き込みが名誉毀損にあたるとは、私は全く考えていない。しかし、書き込みが行われるに至った議論の流れや背景について、お茶の水女子大学が熟知しているとは到底思えず、裁判所の攻撃防御をお茶の水女子大学のみに任せたのでは、十分な主張・立証がなされないおそれがあると考えた。
また、新しいウェブ規則を決める際に、私は、冨永教授に対しても、ネット上でも、「大学内のサーバからの情報発信であっても内容についての責任は発信者個人が負うべきである。人的リソースを考えると事前の内容チェックは非現実的である。また、大学が事なかれ主義な対応をした場合、客観的に正しいが誰かの利益に反する内容を発信することができなくなってしまう。従って、大学名義で発信する情報以外のものについて大学に責任を負わせるような制度を作ってはいけない」と主張してきた。自らの主張に忠実であるためには、私が訴訟に参加、十分に攻撃防御を行い、それによって情報発信者でありかつ本件掲示板の運営管理者としての責任を果たすべきであると考えた。
以上の理由から、独立当事者参加することを決めた。
第9 今回の実験の内容
吉岡氏は、強い永久磁石の影響によって水が変わると考えているようだが、今回の実験は磁石で水が変わることを全く支持していない。
ラマン散乱や赤外吸収は、水分子の振動を敏感に検出する。もし、マグローブの効果によって、水分子の水素結合に違いが出るのであれば、マグローブを通過させた水とそうでない水では、スペクトルに違いが生じるはずである。しかし、結果はそうならなかった。
表面張力の測定においても、マグローブの有無で、表面張力には差がみられなかった。実験の際に表面張力については、使用するチューブやホースの材料が表面張力に影響する(微量の何かが溶出しているらしい)ことがあったが、ホース類の影響を無くした結果、マグローブの有無で違いがないことがわかった。このことから、磁気活水器の接続材料に注意せずに行われた表面張力の実験結果は信頼できないということもわかった。
以上
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