平成19年(ワ)第1493号 損害賠償請求事件
原告 吉岡英介
被告 国立大学法人お茶の水女子大学
被告第4準備書面
平成20年12月24日
神戸地方裁判所第6民事部合議係御中
被告訴訟代理人弁護士 井口 博
第1 原告に対する不法行為責任について
1 本件書き込みAが不法行為にあたらないことについて
(1)本件書き込みAにおいて原告が特定されていないこと、また本件書き込みAによって原告の杜会的評価が低下したといえないことは、被告第2準備書面第1(2)(3)で主張したとおりである。
(2)その他の本件書き込みAが不法行為にあたらないことは参加人らの主張を援
用する。
2 被告のいわゆるプロバイダ責任法上の責任について
(1)プロバイダ責任法3条1項によれば、プロバイダは、当該情報の流通によって、他人の権利が侵害されていることを知っていたときか(第1号)、他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当な理由があるとき(第2号)でなければ賠償の責めに任じない。
本件においては、上記のとおり、そもそも本件書き込みAは、原告の権利を侵害したものではなく、また書き込みの内容からして、権利侵害があるかどうかがただちに明らかになるようなものではなかったから、上記第1号、第2号のいずれの要件も満たしていない。
(2)また被告第2準備書面で主張したとおり、被告はプロバイダ責任法の趣旨により、被告ウェブ・ベージ運営規則等の手続に従って、発信人に対して適切に対応している。
そして、発信人からの回答(甲10の別紙)は明らかに理由のないものとはいえないうえ、被告第1準備書面で主張したとおり、発信人が送信防止措置を講じることに同意するかどうかはなお原告と発信人との協議の余地を残すものであった。したがってこの点においても、上記第1号、第2号のいずれの要件も満たしていない。
3 使用者責任に基づく損害賠償責任について
(1)まず、そもそも本件書き込みが原告に対する名誉毀損などの権利侵害にあたらないことは上記のとおりであるから、権利侵害の存在を前提とする使用者責任が認められないことは明らかである。
(2)また参加人天羽が本件書き込みAをしたことは、参加人冨永の職務執行に属する本件掲示板の管理行為としてなしたとはいえない。
すなわち、本件掲示板は、参加人天羽が参加人冨永の名を記した研究室のサイト内に存在する。しかし、本件掲示板が含まれるapj'sprivatepageは参加人天羽のプライベートなコンテンツにすぎない。
また、参加人天羽によれば、同参加人が水商売ウォッチングを冨永研究室の中で設置しているのは、「居候」とか「制作者の役得」で、そこから動かす理由がない(参加人天羽調書P12)からというもので、さらにその掲載内容についても、掲載前に参加人冨永に確認するといった手続を必ず取っていたわけではない(同調書P16)というものである。
したがって、本サイトに関して、参加人天羽は参加人冨永の補助者とはいえず、まして参加人天羽が本件書き込みをしたことが、参加人冨永の職務執行に属する本件掲示板の管理行為にあたるなどということはできない。
4 したがって原告の被告に対する請求はすべて棄却されるべきである。
第2 被告の参加人天羽に対する責任について
1 参加人は、本件書き込みの削除は黙示の合意の債務不履行にあたること、および本件ホームページの管理・運営が正当な理由なく妨害されないことにつき人格権的利益を有すると主張する。
しかし被告は、参加人天羽の本件ホームページの管理・運営について被告に了承を与えたことはなく、本件ホームページの管理・運営は参加人冨永と参加人天羽との関係でなされたにすぎない。そのため、いかなる名目であれ、参加人天羽は被告との関係で掲示板の管理・運営を行う権利を有しないことは明らかである。
2 したがって参加人天羽の被告に対する請求は棄却されるべきである。
第3 被告の参加人冨永に対する責任について
1 参加人冨永は、被告が、当該サーバに備わっている管理機能を用いて、参加人冨永の意に反して参加人天羽の投稿記事の抹消を行った場合、参加人天羽の表現の自由の侵害であるとともに掲示板開設者である参加人冨永の権利を侵害すると主張するが、いかなる法的根拠で参加人冨永のいかなる権利を侵害するのかについて何ら明らかにされていない。
2 したがって、参加人冨永の被告に対する請求は棄却されるべきである。
以上
戻る