平成19年(ワ)第1493号 損害賠償請求事件
原告 吉岡英介
被告 国立大学法人お茶の水女子大学
被告第2準備書面
平成20年1月29日
神戸地方裁判所第6民事部合議係御中
被告訴訟代理人弁護士 井口 博
第1 本件書き込みについて
1 本件書き込みが原告の権利を侵害していないこと
(1)原告は、本件書き込みAは原告の名誉を殿損し、もしくは侮辱するものであると主張するが、本件書き込みAは、以下のとおり原告の権利を侵害していない。
(2)原告は、本件書き込みAでの話題の対象は、本件書き込みBにおける「Y氏」が原告を指すことが、これまで何度も原告は、実名をあげて話題にされているなどの経緯から、原告であることは特定されていると主張する(原告第1準備書面5ぺ一ジ・第3・1(1)(2))。
しかし原告が主張する「Y氏」の特定について、原告のフルネームが記されたとしているのは、本件書き込みBのなされた3年近くも前の平成16年3月14日というのであり、また平成19年2月10日の「アトピーといえば」、「すでにかなり既出ですね」、「健康と環境の・・・」という各書き込み(同準備書面7ぺ一ジ・iii・iv)についても、書き込みそれ自体に原告が表示されているものでもない。いいかえれば、書き込みBがなされるまでの経緯において原告が対象であるとの認識は容易なものではない。
このような程度の原告の特定で、本件書き込みBにおいて、ましてやイ1ニシャルである「Y氏」と記載されても、これが原告を示すものと認識することは不可能であるというべきである。
(3)原告は、本件書き込みAによって、原告の杜会的評価を低下させたと主張する。
しかし本件書き込みAの「悪マニさんトコのネタになるのか」との記載は、その記載だけで、それが原告の主張するような「悪徳商法マニアックス」であるとの認識ができるとはいえないし、この記載が、原告が悪徳商法をする蓋然性が高いとの指摘であるともいえない。
また本件書き込みAの「ダウンの人々が法律を遵守したまともな宣伝をすることなんざ期待できないわけだが」との記載も、同様に、「ダウンの人々」というのが、原告の主張するようなMLMのメンバーの下位に当たる人々を指すとの認識ができるとはいえない。
(4)上記のとおり、本件書き込みAで原告の権利が侵害されたとはいえないことは明らかである。2被告のプロバイダー責任法上の責任についてすでに被告が主張しているとおり、プロバイダー責任法第3条1項に定めるところによれば、被告は、当該情報の流通によって、他人の権利が侵害されていることを知っていたとき(第1号)、他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当な理由があるとき(第2号)でばければ賠償の責めに任じない。
本件においては、前記のとおり、そもそも本件書き込みAは、原告の権利を侵害したものではなく、また上記の内容に照らせぱ、原告が主張するような「当該清報によって他人の権利が侵害されていると明らかに認められるもの」(原告第1準備書面8ぺージ18行目)でもなく、被告において、上記第1号、第2号のいずれの要件も満たしていないことは明らかであるから、被告は賠償責任は負わない。
第2 参加人の請求原因の追加について
参加人は、被告との間で、黙示の合意の債務不履行に当たるという主張に加え、参加人が、本件ホームページの管理・運営が、正当な理由なく妨害されないことにつき、人格権的利益を有するとし、これに基づき、被告に対し、本件書き込みを削除しない旨の不作為請求を追加した。
しかし参加人の本件ホームページの管理・運営は、訴外冨永教授と参加人との関係においてなされたものであって、仮に同教授の許諾があったとしても、そのことから直ちに被告との関係で、参加人が主張するような人格権的利益が生じるものではないから、参加人の主張は当を得ない。
以上
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